【8月9日(金)晴】バンテアイ・クディ → プラサット・クラヴァン
プレ・ループからタ・プロームに移動するときに通り過ぎてきたバンテアイ・クディへはタ・プロームから東へ一・五キロメートルほど戻る。
◆ バンテアイ・クディ(Banteay Kdei)
ジャヤヴァルマン七世(在位1181 - 1218/1220)による十二世紀末造営の仏教寺院。
バンテアイ・クディの意味は「チャンバ族の砦」または「僧房の砦」。バイヨンやプリア・カン、タ・プロームと同じように、ここの塔門にも四面仏が刻まれている。
西側の桜門から入る。
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西楼門。 |
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西楼門の内側。 |
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参道を東へ。 |
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テラスと西塔門。 |
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スポアンの木が内回廊を跨いでいる。 |
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内回廊角の祠堂。 |
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他の寺院よりも片付いている境内。 |
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建物の内部は支柱だらけ。 |
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建物内通路の楣(まぐさ)に残るレリーフ。 |
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中央祠堂を東に抜けると左(北)側に祠堂が並んでいる。 |
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東桜門(東面)とテラス。 |
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東桜門(東面)の破風に施された彫刻。 |
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東桜門に安置されていた仏像と地元の人。 |
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テラス東端のナーガの手摺りと獅子像。 |
ナーガの手摺りのあるテラスを背に参道を東に一直線。
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参道を東へ。 |
東側の出入り口は「東塔門」。
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東塔門(西面)。 |
バンテイアイ・クディの東塔門を出たところで待っていたチャブさんが座席下のクーラーボックスから今朝買ったココナツ・ジュースを出してくれた。よく冷えていて渇いた喉が一気に潤い、飲み干すと満腹になる。
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バンテアイ・クディ東桜門前で一休み。 |
昨日のペットボトルもこのココナツ・ジュースも料金に含まれているのだという。
ここで一休みしてから一キロメートル余り南下、プラサット・クラバンへ。
◆ プラサット・クラヴァン(Prasat Kravan)
ハルシャヴァルマン一世(在位910 - 944)が創建したヒンドゥー寺院。五つの塔が一つの基壇上に南北に一列に並んでいる。中央塔扉口の枠にある碑文に「西暦921年にヴィシュヌ神に捧げられた」と残されている。
プラサット・クラヴァンの名はカルダモンの木(クラヴァン)に由来すると言われており「好い香りの寺院」を意味する。
塔は北側からヴィシュヌ神の妻ラクシュミー、シヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマー、シヴァの妻ウマを祀っていたとされる。
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塔の西面(左が北側)。
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中央の祠堂内部にはヴィシュヌが、北側の祠堂内部にはヴィシュヌの神妃であるラクシュミーが刻まれているらしいが、入り口に進入禁止の標識が置いてあり塔の内部に入ることはできなかった。
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塔の東面。右端はテラス |
プラサット・クラヴァンはこれだけの遺跡で他に見るところはない。
『今夜も夕焼けは期待できないが、未だ時間に余裕があるので行く気があるなら、これからバンテアイ・スレイに行っても好いがどうする?』とチャブさんからの提案。
時計を見たらそろそろ午後3時。今日も昨日と同様、昼食をとらずに寺院巡りをしてきたので、いささかくたびれた。チャブさんは昨日も今日もこちらが寺院を回っている間に昼食を済ませていたのだ。
今日のツアーはここで終わりということにしてプラサット・クラヴァンからホテルに戻ってもらう。
本日のチャーター料は US$ 30(¥3,300)。
明日は日の出に挑戦、チャブさんは朝5時にホテルに迎えに来るという。
部屋に戻ってバスタブに湯を張り重くなった足を温めてから写真の整理。今日はカメラの電池も何とか保ってくれた。
さすがに腹が鳴るので6時にホテルを出て昨日国道6号線を挟んで「333レストラン」の真向かいでアタリを付けておいた食堂「バンテアイ・スレイ」へ。
店の中は明かりが点いていないが入り口に女性店員が数名立っている。
営業しているのか尋ねると直ぐに店内に案内してくれた。店内は外から窺ったときよりズット広く、店内をさらに仕切った冷房が効いている部屋へ通された。
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バンテアイ・スレイ。 |
渡されたメニューに『TAIZOさんが好きだった料理です/SPECIAL MENU "TAIZO"』と言うページがあり、カンボジア語の下に日本語が併記してある。
その中から「魚とショウガの炒め物」を頼む。
料理が出てくると別皿に米飯も出てきた。生姜が利いた濃い味付けで食欲はそそられるが、いずれにしても量が多すぎる。
店員に何の魚かその名を訪ねると若いマネージャー君を連れてきた。
彼も魚の英語名を知らず、しばらくスマートフォンで調べていたが湖で捕れる Trey Ros (Mud Fish) という魚だという。
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魚とショウガの炒め物。 |
最後に小さなカップでゼリー状に白く固まったデザートが二個、知らない味じゃないが何だろう。マネージャー君に尋ねるとライチを使って作ったという。
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ライチのゼリー。 |
メニューにあった "TAIZO" さんはカンボジア内戦の取材中、クメル・ルージュに処刑されたカメラマンの一ノ瀬泰造のことらしい。"TAIZO" さんは濃い味付けが好きだったようで「魚とショウガの炒め物」の味付けが濃かったのもうなずける。
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バンテアイ・スレイ一階店内。 |
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