【5月6日(土)】旧市街
ホアンキム湖を後にして、一日ツアーを申し込むつもりで旅行代理店「シンオフィス」(ホーチミンのシンカフェの姉妹店)を探しにホアンキム湖の北に広がる旧市街に入る。ハノイ36通りと呼ばれる一郭だ。
見つけたシンオフィスのドアに『今日は午後2時に開店する』と張り紙がしてあったので、そのまま足を伸ばしてハノイで一番古い寺院「白馬最霊祠」に行ってみる。
白馬最靈祠(Den Bach Ma)は1010年のタンロン(旧ハノイ)建都の際に、李朝の始祖レタイトー(李太祖)の夢に白馬が現れて築城の要所を教えたという伝説にちなんで建てられた祠で「タンロン四鎮」の一つになっている。
タンロンの東西南北に建てられたこれら四鎮のうち、白馬最靈祠は東の守護祠にあたる。他に北の鎮武観(デン・クアン・タイン/Den
Quan Thanh)、南の金蓮殿(キムリエン)、西の象伏殿(ヴォイフック)がある。
そんな由緒のある寺院だが、ボンヤリ歩いていると見落としてしまいそうな小さな寺院だ。
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白馬最靈祠。 |
白馬最靈祠横のハンザイ(Hang Giay)通りに入る。酒屋や菓子屋が並んでいる。
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酒屋や菓子屋が並ぶハンザイ通り。 |
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東京では見ることが無くなったビールの2リッター缶。 |
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旧市街の街並み。 |
丁度昼時、"COM BINH DAN"の看板は米飯におかずを載せるベトナムの大衆食堂。混み出す前にここでランチにする。
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大衆食堂の目印"COM BINH DAN"。 |
店内に足を踏み入れると『食べるのか?』と身振りで聞いてきた。ボールを覗き込みながらコレはと思う料理を指さすと米飯を盛りつけた皿に適当に載せてくれる。
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どのボールも美味そうな家庭料理。 |
厚揚げの煮物、煮付けた鶏肉の海苔巻き、叉焼、名前の分からないピリ辛煮の野菜、さらにボールを覗き込むとこんなモノでいいだろうと身振りで示す店の小母さん。盛りつけてもらったさらを受け取ると小母さんの指が三本立った。30,000VND(約120円)だ。
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ピリ辛の野菜が見た目よりも美味だった。 |
幼稚園児が座るようなプラスチック製の低い椅子に座る。目線が下がると思っていたよりも落ち着くことが分かった。
のんびりしたランチ後、食堂前のグエンティエントゥアット(Nguyen Thien Thuat)通りをドンスアン市場(Cho Dong Xuan)まで歩いてみた。
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食堂前のグエンティエントゥアット通り。 |
食堂からドンスアン市場まではわずか100メートルほどだった。市場に近づくほどにバイクの往き来が激しくなる。
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ドンスアン市場。 |
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ドンスアン市場。 |
市場の中はごった返しており写真を撮る気になれず、来た道を戻ってハンチェウ(Hang Chieu)通りを左折、「東河門(Dong Ha Mon)」に行く。1749年に建てられ、その後19世紀になって修復されたというタンロン(旧ハノイ)への出入口も訪れてみると小さな門だった。
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東河門(旧城内側)。 |
街の中に溶け込んだ風情で建つ門をくぐり抜けて、旧城内と城外を往き来するバイクが途切れない。
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東河門(旧城外側)。 |
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東河門を抜けた O Quan Chuong 通り。 |
マーマイ(Ma May)通りの旧家保存館に着くと戸が閉まっており『SORRY WE CLOSE THE DOOR FOR LUNCH』の張り紙。何時まで閉めているのか書いてない。
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旧家保存館。 |
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1時は過ぎているのにランチは何時までなんだ? |
19世紀の後半に建てられた中国風木造民家が修復されて一般公開されているというので見に来たのだが、これではいつまで待てばいいのか分からない。
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窓の隙間から中を覗くにとどめた旧家保存館。 |
旧家保存館を立ち去ろうとしたら、スラッとした女性がたどたどしい日本語で『私は大学生です、貴方は日本人ですか?』と話しかけてきた。そうだというとA4程の大きさの透明カードケースを差し出してきた。
カードケースの中には細かな手書き文字で日本語がビッシリ並ぶ紙が入っている。『興味が無いよ。』と強く手を振ると、プイッと離れて行った。気づかなかったが彼女の直ぐ後にバイクにまたがった男がこちらを見ていた。彼女はその男と一緒にバイクで走り去ったが、怪しい二人連れだ。この後も旧市街で似たようなカードケースを観光客に見せている女性を何回か目撃した。
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