【5月3日(火)】盤錦 → 瀋陽
今朝は空が高く気持ちが好い晴天で、寒気も去ったようだ。
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天井が高かった客室。 |
朝食は6時半から。
シャワーを浴びて一階のダイニングルームに下りてみると赤いテーブルが並ぶだけで誰もいない。
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誰もいないダイニングルーム。 |
部屋の片隅に並んだチューフィングディッシュ(フード保温器)の中は典型的な中国式の朝食ばかり。食べ始めたら波さんがやってきた。花嫁の介添えで疲れ切ってしまい昨夜は部屋に入るなり寝入ってしまったそうだ。
食べ終わる頃には他の宿泊客もチラホラとやって来た。
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お粥と万頭で朝食。 |
食事を終えて部屋に戻ろうとエレベーターの前に立って『あれ?』。この建物には地階がないのに下りの押しボタンしかないヨ。工事をするときに付け間違えたままにしているのだろう。
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下りの押しボタンしかない一階エレベーター。 |
エレベーター内の赤い床マットに「星期二 TUESDAY」と書いてある。「星期二」は火曜日のことだが、エレベーターの床マットに週日を表示しているのを初めて見た。毎日交換していることになるわけだ。
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エレベーター内の床マット。今日は火曜日。 |
ホテルの周辺をぶらつきながら昨日も水を買った真向かいのコンビニで水と酸棗汁(Suanzaozhi)を買う。4元(約52円)。
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宿泊した隆馨賓館全景。 |
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ホテルから少し離れると車も少なくノンビリしている。 |
ホテルに戻って荷造り。
9時少し前にロビーに下りて行くと既に波さんはチェックアウトしてロビーのソファーで待っていた。
そろそろ9時、と思ったら于くんのお父さんが縁起物だからと言って昨日の白酒「老窖陳蜋
(Laojiao Chenning)」をお土産にしろと持ってきてくれた。有り難く頂戴する。
『暁光の結婚、本当におめでとうございます。私もほんとうに嬉しいですヨ。』改めてお父さんと喜びを分かち合う。
そうこうしていると于くんとお母さん、甜甜さんもきてくれた。
暫くロビーでご両親と別れを惜しんで、于くん、甜甜さん、波さんと一緒にタクシーで盤錦駅に向かう。
このタクシーの運転手が、隣の席に座った私をチラッと見て、何処の人だと聞いてきた。日本人だと応えると何か得心した様子で話し始めた。
彼の妹さんが『日本人と結婚して仙台の近くにいるが、今回の東日本大震災と津波の被害をもろに受けた。子供を亡くし、ご主人のご家族は車で避難するところを津波にさらわれて亡くなった。』悲しい話を聞いたが、盤錦と日本の距離が思った以上に近いことを思った。
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妹さんのことを淡々と話す運転手。 |
かつての盤錦駅は取り壊され、新しい駅は別の場所に建設中で今は仮設の駅舎が建っている。
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仮設の盤錦駅舎。 |
初めて盤錦駅に降りたときに印象に残った赤煉瓦の建物は仮設駅舎の横に健在だ。
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印象的な赤煉瓦の建物。 |
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レールも全て移設されたそうだ。 |
吉林省の長春まで帰る波さんは鉄道で8時間ほどかかるという。
瀋陽まで一緒に行ければ、少しは楽しい鉄路になるかと同じ列車の切符は無いか聞いてもらったが既に空席はなかった。
波さんを見送って高速バスの切符を買いに駅前にあるバスターミナルに移動。瀋陽までのバスは30分に一本と本数が多い。それでも一時間後の11時10分発の切符しか無かった。盤錦―瀋陽、54.5元(約709円)。
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高速バス切符売り場。 |
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遼寧省盤錦市道路汽車客票とある高速バス乗車券。 |
バスの出発待ち合わせロビーの写真を撮っていたら、若い警備員が跳んできて撮影はまかりならんという。撮影したものを見せろと言うのを、未だ撮ってないと言い張って下の写真が残った。この待ち合わせロビーの何処が撮影禁止なのか分からない。
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撮影を止められた出発待ち合わせロビー。 |
バスは定刻通り出発、途中広大な農村地帯を走る。シートのポケットに水のペットボトルが入っているので、周囲を見ると全員に配られているようだ。
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バスは満席。 |
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盤錦から瀋陽へ向かう高速バスの車窓から。 |
およそ2時間半で終着の瀋陽に到着。
バスを降りると目の前に文字通りの丸ビルが建っている。瀋陽の高速バスターミナル横に建っている浦発銀行(上海浦東発展銀行/SPD Bank)ビルだ。こんなにシンプルで異様なデザインの建物はマカオでも見なかった。
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一際目を惹く浦発銀行ビル。 |
ヒョット思いついて瀋陽から大連までの高速バスの切符が買えないかと切符売り場に回ってみる。
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一悶着あった切符売り場は右から二番目の窓口。 |
人が並んでいない窓口があったので、5月8日の大連行きの切符を頼んだ。係員は何か早口に好いながら発券してくれた。渡された切符を確認したら今日の盤錦往きの切符になっている。頼んだのはこの切符じゃない、たった今、盤錦から着いたばかりなんだぞ、5月8日の大連行きが欲しいんだと、暫く押し問答。
係の人は発券する前にこちらに確認してきたのをキチンと聞き取っていなかったのだろう。多分悪いのはこっちだろうが、窓口から出された切符と釣り銭を一緒に突っ返す。
係員は何度も何度も今日の盤錦行きじゃないのかと聞いてきたが、乗らない切符を買う気はない。
こっちも5月8日の大連行きだと何度も繰り返す。係員が一度席を立って別の人と何か言葉を交わし、席に戻ってからようやくこちらが希望する切符を出し直してくれた。簡単に発券し直すことができない仕組みになっているのだろうか。
渡された切符の料金は129元(約1,677円)、不足の代金を渡して『太麻煩您了』といったら、それでも『不客气』を返してくれた。
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瀋陽 → 大連のバス乗車券。 |
遼寧省快速汽車客運站は列車の駅かと見まがうくらい大きなバスターミナルだ。
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遼寧省快速汽車客運站。 |
ホテルまでのタクシーに乗るためにバスターミナル前の通りに出る。早速、タクシーの客引きが寄ってきた。
Expediaで予約したホテル「如家快捷酒店 瀋陽中街店」までの地図を見せると50元(約650円)で行くという。いくらかかるのか知らないが高すぎると断ると、別の客引きが30元(約390円)でいいとしつこく後をついてくる。
流しのタクシーを拾うからいいと断って、走ってくるタクシーを停める。このホテルを知っているかと聞くと、知らないと首を振って走り去ってしまった。
3台目でやっとホテルを知っているというタクシーの運転手に出会う。おおよそいくらくらいかと聞くと確かじゃないが10数元じゃないかという。後部座席に旅行鞄をのせて運転手の横に座る。
途中で古い城門の前を通りかかると、この奧に古い街並みの「グーゴン」があると教えてくれた。直ぐには何のことか分からなかったのだが、説明を聞いていてそれがどうやら「故宮(Gugong)」のことらしいと気づいたときには遙かに通り過ぎてしまった。
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タクシーの中から見えた古い城門。 |
ホテルまでは結局20元(約260円)丁度。親切で丁寧な運転振りにチップを5元(約65円)。
ホテルの外観はお世辞にも新しいとは言えないオンボロビル。内部を綺麗に改装したホテルは今までにも利用したことがあるので、ここもそうなんだろうと思いながらフロントの前に立つ。
フロントカウンターの中は若いフロント嬢ばかり。彼女達の対応を期待していなかったので、非常に丁寧で気持ちの好い対応にビックリ。こちらの予約ミスで一泊不足していたのも理解してくれて延泊もすんなり分かってくれた。一泊142元(約1,846円)で5泊/710元(約9,230円)。デポジットは1,000元(約13,000円)。
内装は改装してなかった。廊下のあちらこちらが濡れているのは水がもっているのだろうか。
部屋の中が見るからに狭苦しく侘びしげなのは小さな窓が一つあるきりで外光が全く入ってこないからだ。ただし、バスルームはシャワーのみだが改装したばかりのようで新しかった。ところがこのシャワー、後でえらい思いをさせられた。
部屋にセーフティーボックスが無かったのでフロントに下りて、あるかどうか聞いてみたら見かけによらずあるという。早速貴重品を預けた。電話で問い合わせられるほど普通話(標準中国語)ができないので、こんな時には直接フロントに下りて行くことになる。最後は筆談になったが、対応したフロント嬢は非常に丁寧に辛抱強くこちらの要求を理解しようとしてくれた。
部屋が寒くなってきたのでエアコンを付けようと思ったらリモートコントローラーが効かない。これもフロントに伝えるとすぐに係がとんできた。エアコンは壊れていて、もう一台壁に掛かっている方が暖房機だったのだが、この暖房機のケーブルがコンセントから外されていたた。そのためにもう一つ置いてあった小さなリモートコントローラーも作動しなかっただけだった。それにしても、この暖房機、音がうるさい。
シャワーを浴びないうちに寝ついてしまった。
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