【8月13日(土)】文廟・国子監
重砲の連射かと思わせるような明け方の雷と激しい雨も朝食を終えてホテルを出る頃には上がった。
9時過ぎにホテルを出てチャンティ(Trang Thi)通りを真っ直ぐ西に。早朝の雷雨がウソのように晴れて陽射しも強くなってきた。
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チャンティ通りのバイク群。 |
斜めに交叉するハンボン(Hang Bong)通りの辺りはガイドブックの地図が不正確でどちらに進めばいいのか分からず、交差点を行きつ戻りつすることになってしまった。
ゲンチャイホク(Nguyen Thai Hoc)通りを往けばいいことに気づいて方向修正。トンドクダン(Ton Duc Thang)通りに出ると木陰が涼しそうな歩道に沿った大きな公園の前に出た。
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トンドクダン通りの公園。 |
入口の場所を思い違いしていたために文廟・国子監(ヴァンミュウ・クォクトゥギャム/Van Mieu - Quoc Tu Giam)の周囲を半周することになってしまった。トンドクダン(Ton
Duc Thang)通りからクォクトゥギャム(Quoc Tu Giam)通りに出てやっと入口にたどりついた。
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文廟・国子監の入り口、列柱門。 |
列柱門を入ると直ぐ左手に入場券売り場がある。一枚10,000VND(約40円)。英文パンフレット5,000VND(約20円)。
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文廟・国子監の入場券。 |
入場券売り場で購入した文廟・国子監のパンフレットにはこんなことが書いてある。
『文廟・国子監は賢人や儒学者達に捧げられ、国のために才能ある人材育成に使われたものである。 ほぼ1000年にわたり、往古の建築様式、孔子廟や奎文閣、彫像、会試合格者名碑などの貴重な史跡を保存してきた。文廟・国子監は今日のベトナムの最も重要な歴史的・文化的な遺産の一つである。
1070年の太陰歴8月、文廟はレタイトン(Ly Thanh Tong)王によって建てられた。孔子と4人の高弟の彫像が作られ、72人の門弟達の肖像画が描かれた。時の皇太子はここで学んでいる(Extract
from the complete history of Dai Viet)。
ベトナム最初の国立大学「国子監」は優秀な人材を育成するために、1076年にリニャントン(Ly Nhan Tong)王の手によって設置されている。後の黎(レ)朝(1428
– 1788)に拡充された国子監には教室と300人の学生を収容する宿舎ならびにカンフー道場があった。』
鐘が下がっている「文廟門」で入場券のチェクック。
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文廟門。 |
文廟門を入って中庭の真ん中を真っ直ぐ伸びる赤煉瓦の道を奥に進む。
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中庭。 |
中庭の突き当たりには赤い屋根の上に壺と魚を載せた「中門」が建つ。
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中門。 |
中門の奧には赤煉瓦の塀で囲われた奎文閣がある。奎文閣はハノイの象徴の一つであり、100,000VND札にも描かれている。
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この建物を指して奎文閣ということもあるようだ。 |
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赤煉瓦の塀で囲われた奎文閣。 |
奎文閣の入り口をくぐると四角い池「天光井」の前に出る。天光井の左右に四棟ずつ赤い屋根が並んで建っている。
天光井の奧には「レタイトー神殿」で見たのと同じ旗がひらめいている。
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「天光井」と四角い旗。 |
旗の間に見える門はベトナム語の表記も漢字にによる表記も不明。何故か英語表記で"Gate Of The Great Synthesis"とある。
ベトナムは1075年に中国の科挙制度を取り入れているが、文廟・国子監のパンフレットには『郷試(地方試験)に依って選ばれた国生(国子監の学生)達は皆聡明な学生だった。彼らは儒教の聖典(4冊の経典と5冊の儒教の古典)、行政文書の起草、文学と詩の書き方をここで学んだ。彼らは中央の官吏になるための会試(中央試験)に備えてここで勉学するために3年間を必要とした。』とある。
「天光井」の左右に四棟ずつ並んでいるのは会試の合格者名を刻んだ82の石碑を収めた石碑殿で、1484年にレタイトン王(1442 – 1497)が最初の会試合格者名碑を建てたとされている。
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会試合格者名碑を収めた石碑殿。 |
再度、文廟・国子監のパンフレットから:
『1442年から1779年の間に実施された82回の試験による1304人の名前および出生地を刻んだ会試合格者名碑は、1484年から1780年にかけて作られた。その中には歴史家
Ngo Sy Lien、数学者 Luong The Vinh、博物学者Le Quy Don、政治家・外交官 Ngo Thi Nhamなどの著名な名前がある。会試合格者名碑はベトナムの儒教教育に関する価値ある石の歴史の本である。』
会試合格者名碑は亀趺(きふ)乗った石碑で亀は全てが違う表情をしているようだった。
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会試合格者名碑。 |
「天光井」の後ろが "Gate Of The Great Synthesis"。「大統合門」でいいのかナ?
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大統合門? |
大統合門の奥が文廟(孔子廟)で、ここに孔子と四人の高弟が祀られている。
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これが文廟、孔子廟とも呼ばれている。 |
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文廟の屋根の上には向き合った龍がいる。 |
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文廟の鱗形の瓦屋根。 |
文廟内正面は「萬世師表」の額を掲げた祭壇。
「萬世師表」は「永遠の規範」ほどの意味か。祭壇の両側にはハノイのお寺でしばしば見かける首の長い鳥、鶴のようだがここでは亀の背中に乗っている。長寿を願う置物らしい。
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文廟正面の祭壇と「萬世師表」の扁額。 |
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文廟の内部。 |
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孔子像。 |
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四人の高弟の内の二人。 |
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四人の高弟の残る二人。 |
文廟内の外れにガラスケースに収まった金張り(金メッキ)の陶器製の亀が飾ってある。説明無しで由来は不明。
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文廟内に飾られていた金亀。 |
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