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  2019年8月:シェムリアップ
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アンコール・トム(1)アンコール・トム(2)アンコール・トム(3)
トマノン → チャウ・サイ・デヴォーダ → タ・ケウプノン・バケンアンコール・ワット

【8月8日(木)晴】アンコール・トム(2)

バイヨンからバプーオンまでトゥクトゥクで移動。

バプーオン前で客を待つトゥクトゥク。

◆ バプーオン(Baphuon)

十一世紀中頃(1060年頃)スールヤヴァルマン一世の息子、ウダヤーディチャヴァルマン二世(在位1050-1066)が国家的寺院として築き、ヒンドゥー教のシヴァ神に捧げられた三層からなる山岳型(ピラミッド型)寺院。

わずかに残る東塔門から入る。

バプーオンはアンコール・ワット造営の試作として建造されたとも伝わっている。

東塔門を入ると寺院に向かって空中参道が真っ直ぐに伸びている。空中参道の長さは約二百メートル。

東塔門から真っ直ぐ伸びる空中参道。

空中参道を支える柱。

空中参道左にある池は沐浴場跡。

近づくに従って三層に積み上げられた寺院の様子が見えてきた。

ここからは三段重ねの様子がよく分かる。

空中参道と寺院正面。

空中参道は寺院に繋がっておらず石段で一度地表に下りてから寺院の石段を登る。
石段を登った所が一壇目で意外に広い。二壇目の東側(正面側)ついている石段は閉鎖中。

一壇目の上は意外に広い。

一壇目から空中参道を振り返る。

一壇目の上を南側に回りさらに急な石段を登る。

二壇目南側の急な石段。

三壇目から空中参道を見下ろすとさすがに高い。

痛みが激しい最上壇の中央祠堂。

地表に下りて北西角から寺院基壇を臨む。

バプーオンの北外れに、行き先が書かれていない心小さな案内標識が心許なげに立っている。矢印について行く。

行く先が書かれていない案内標識。

矢印に従って歩き始める。周囲はこのまま進んでも大丈夫なのだろうかと心配になるほどの木立だが、他に道は無い。

このまま進んで大丈夫なのだろうか。

一本だけある道は確かに踏み固められている。
いくらも歩かないうちに突然目の前に現れたのがピミアナカスの遺跡。

◆ ピミアナカス(Phimeanakas)

五ヶ所の塔門を持つ東西600メートル、南北250メートルの周壁に囲まれた王宮の中央に位置している。

木造だったという王宮は失われて今は何も残っていないが、王宮に居住した歴代の王が儀式をおこなうための寺院で、クリアン様式のヒンドゥー教寺院で「天上の寺院」とも言わていれる。

ラージェンドラヴァルマン二世(在位944 - 968)統治時代の十世紀末に建造され、次いでスーリヤヴァルマン一世(在位1002 - 1050)の統治時代に完成したとされる。

寺院は東西35メートル、南北28メートルと規模は大きくないが三壇構造をしている。

三壇構造をしたピミアナカス。

ピミアナカスの北側に大小二つの池が残っている。
沐浴場の跡だと言われており大きな池が「女池」、小さな池が「男池」だとされている。女池が大きいのは数多い後宮の住人が利用したからだろうと勘ぐってみた。(男女の池が逆だという説もあるようだ)。

大きな女池。奥の方に小さな男池がある。

女池の脇を抜けて王宮の城壁の崩れかけた塔門を抜ける。

王宮の城壁と塔門。

木立の中に白く踏み固められた小径を辿って北に向かう。
この辺り一帯は木々の緑も濃く深く、他に観光客の姿もなく静謐、一人取り残されたような錯覚に陥る。

◆ プリア・パリライ(Preah Palilay)

木々に覆われて崩落が激しい寺院跡が残されているプリア・パリライは未整備で放置されたままになっており、詳しいことは分かっていない。

中央祠堂は三本のスポアン(ガジュマル)の木に乗っ取られそうになっている。

中央祠堂の周囲は文字通りの瓦礫の山。

わずかに形が残る中央祠堂(写真は借り物)。

中央祠堂の前に建つ塔門(写真は借り物)。

塔門の前に建つ仏像は後世になって現カンボジア人によって建てられたもの。

後世になって建てられた仏像とお堂。

仏像の前には崩れかけた十字形のテラスが残されており、欄干の両側にナーガとナーガの頭部が残っている。

十字形のテラス(写真は借り物)。

テラスのナーガ(写真は借り物)。

プリア・パリライの参道跡と思われる道を200メートルほど東に辿ると、テップ・プラナムの背後に出る

◆ テップ・プラナム(Tep Phlannam)

辿ってきた順路は逆順のようでプリア・パリライも中央祠堂からテラスを辿ってきたが、テップ・プラナムでも最初に目に入ったのがお堂の背後にある崩れかけた二基の仏塔だ。仏塔の前の石積みは大きな仏像を安置しているお堂の土台。

左に見える石垣はお堂の土台。

四周を開け放ったお堂の正面に回ると大きな仏像が鎮座している。この仏像の情報が見つからないが、テップ・プラナムの建造は十世紀初頭と考えられており、創建当時はヒンドゥ教崇拝だったが後に仏教崇拝に変わったため、この大仏が建てられたというのが通説のようだ。

周囲は深い緑に覆われているが、幅8メートル、全長75メートルの煉瓦(ラテライト)で作られた基壇(テラス)は創建当時のものでその上に高さ4メートルほどの降魔印の仏像が鎮座している。

降魔印を結ぶ仏像。

仏像を収めた本堂の前に、日本式に言うなら拝殿に当たるお堂が接している。

拝殿とその後に見えている屋根が本堂。

手前に広がるのが基壇で地表より5センチメートルほどの高さで煉瓦が敷き詰められている。

基壇とお堂。

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