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2010年5月:上海 4月28日┃4月29日┃4月30日┃5月1日┃5月2日┃5月3日 5月4日┃5月5日┃5月6日┃5月7日┃5月8日┃5月9日┃地図 海倫西路|多倫路文化名人街|横浜路|百年老楊生煎王|咸亨酒店 【5月1日(土)】多倫路文化名人街 四川北路に戻り北上して多倫路に入る。多倫路は四川北路に面して入り口に石の門が建っているので直ぐにそれと分かる。ここは多くの文化人が暮らしたところから文化名人街とも呼ばれているようだ。
門を入ると直ぐ右手に「咸享酒店(Xianxiang Jiudian)」と書かれた真っ赤な看板が建っている。紹興地方の料理店で、店の前には魯迅の作品「孔乙已」の主人公(孔乙已)を模した像が建っている。そういえば魯迅は紹興出身だ。店の右隣では瓶を並べて紹興酒を売っている。
咸享酒店を過ぎると左側に「上海多倫現代美術館」がある。今回の上海滞在中にこの前を何度か通ったが、この美術館が開いているのを見ることはなかった。
美術館の向かい側に「禧勃坊」の扁額が掛かる古い建物がある。「禧勃坊」のいわれは分からないが、その前には魯迅とその話に実を乗り出す若者の像がある。
魯迅記念館にはこの蝋人形バージョンがあるそうだが見落とした。実際にこんな場面を撮った写真があるらしく有名なシーンのようだ。
上海多倫現代美術館の右隣に建っているのは煉瓦造りの中国風の建物。屋根や赤い柱から寺院のように見えるが正面の壁についている十字架で教会だとわかる。正面入り口の上に「鴻徳堂」とある。魯迅と親交の深かった内山完造の妻・美喜子の追悼式がここで行われたらしい。
多倫路文化名人街には魯迅像の他にも文化人達の銅像が建っている。像の脇に設けられた説明板が読めなくなっているものもあるが日本でも名の知れた人物像も建っている。
横丁の奥にも窓に洗濯物を干しているアパートらしい洒落た建物が建っている。
老電影珈琲館(オールド・フィルム・カフェ)の入り口前のテラスで似顔絵ならぬ似顔像を造ってくれる人形師が仕事をしていた。北京の九門小吃の入り口でも似顔人形師の仕事ぶりを見たことがある。
老電影珈琲館横の路地で若いカメラマンのクルーが新婚カップルの結婚記念写真を撮影している。中国では若いカップルが結婚記念にプロのカメラマンに記念写真を撮ってもらう習わしがある。多倫路文化名人街は記念写真を撮るにはうってつけの建物が多く、他に何組かのカップルが記念撮影に訪れていた。
ゆるくカーブした道に沿って建つ長屋風の三階建ての建物には小さな印鑑、書画、骨董などの店が並んで入っている。
多倫路を更に進むと出口の近くにモダンな洋館が建っている。コーヒーショップのようだが、ここでも若いカップルの結婚記念撮影が行われていた。
洋館の入り口を見ると"KOALA GARDEN HOUSE & Eucalyptus Cafe 考拉花園旅舎"とある。ホテルのようだ。
多倫路文化名人街のもう一つの門を抜けると四川北路に出る。
ここでUターンして多倫路に戻る。
雲集閣(と読むのだろう)と書かれた白い建物の前に内画(インナー・ボトル・ペインティング)鼻烟壺の看板を出している店があったので覗いてみた。
店に入るとガラスケースの上で内画の制作を実演して見せてくれた。穂先が軸に対して90度曲がっている筆を瓶に入れて内側から絵を描いて行く。
周玉峰さんがくれた名刺には『周玉峰 内画工作室』と書かれているだけで雲集閣と書かれていないところを見ると、雲集閣は店の名前ではなく建物の名前かも知れない。
多倫路から見えた赤い看板には「壺庄 贈答品卸売り」とある。一番下には急須の絵があるので多分茶器セットの卸売り屋なのだろうが、この路地にはそれらしい店が見つからなかった。
更に奥に進むと石庫門だ。屋根の向こうには高層ビル工事のクレーンが覗いている。この石庫門もいずれ無くなってゆくのだろう。
石庫門を出て横浜路に向かう。 |