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  2013年4月:台北
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【4月26日(金)】黄金博物館

バス停に戻り金瓜石行きのバスに乗る。九份から金瓜石に向かうバスに乗ったのは自分一人、他に誰も居ない。乗り込んだバスには地元の人らしい親子連れが一組いるだけで何とも心許ない。

九份からさらに山道を登りながら20分くらい走ったのだろうか、終点の金瓜石に着いた。
バス停の周囲を少し歩いてみたが方角の検討がさっぱりつかない。休憩中のバスの運転手に黄金博物館はどっちなのか尋ねたらバス停の背後にあった。

新北市立黄金博物館のサービスセンター。

ここは入場無料、サービスセンターでもらったパンフレットを頼りに公園になっている館内を回る。

19世紀末に九份に続いて金瓜石でも金鉱が見つかる。その直後に台湾統治者になった日本によって開発・採鉱が始まった金瓜石の金鉱は、その後、東北アジア第一の金山と言われる時代を迎える。

第二次大戦中は英国人捕虜800人余りを坑内の採掘作業に従事さたこともあったようだ。
第二次大戦の終戦とともに台湾に引き継がれるが、やがて鉱脈は尽き1985年に廃鉱になっている。

館内のあちらこちらに日本統治時代に建てられた日本家屋が保存されている。これらの家は日本から赴任してきた職員が暮らした家で、その佇まいは本郷菊坂の屋並みを見るようでひどく懐かしい。

赤煉瓦の塀に囲まれているここはその一つで「四連棟」と名付けられている。

保存されている日本家屋「四連棟」。

門から施設の職員が出てきたので玄関先を見ることができた。玄関の三和土、上がりがまち、奥の襖張り、どれも日本の家そのものだ。

四連棟の玄関内。

中に入ることはできなかったが煉瓦塀の上から覗くと板壁と玄関の様子がよく分かる。四軒長屋のようだが、なるほど四連棟はそういうことか。

四連棟の左端。

起伏に富んだ館内の所々に設けられた階段を上って行くとウッドデッキに敷かれたレールに出くわした。レールに沿って歩いて行くとトロッコも停まっている。掘り出された鉱石を運んだかつてのトロッコとレールだろう、今は動かないようだ。

レールの横は遊歩道代わりになっている。

トロッコのレールに沿って奧に進んで行くと黄金館の前に出た。館内には金瓜石鉱山の歴史、坑道の模型、創業時の工具などが展示されている。

黄金館。

当時の作業の様子が人形で再現されていた。

二階展示室の白眉は220.3kgの金塊。展示ケースに空けられた穴から手を入れて直接触れることができる。

金市場で売買されている金の純度などの基準は知らないが、この金塊を今日の金価格4,778円/1gで売ると1,052,593,400円、十億五千万二百五十九万三千四百円。

時価十億五千万円の金塊。

博物館の一番奥まったところに黒く塗られた大きな機械が二基設置してある。説明板によれば6つの坑道に新鮮な空気を送った一基400馬力のエアコンプレッサーで日本統治時代のものだとある。

前に立つと鉄の塊の存在感に圧倒されるエア・コンプレッサー。

本山第五坑道も覗いて見たかったが閉館時間が迫ってきたので先を急ごう。

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