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  2007年8月:鞍山
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【8月5日】 二一九公園・千秋墓園・鞍山→盤錦

5時半頃、蝉の鳴き声で眼が覚める。

窓のカーテンを引くと真っ青な空だ。シャワーを浴びて起きてしまった。

「東山宾館」は北京の九華山荘と同じように元は共産党の施設だったようだ。普通のホテルとは違い建物にも部屋の造作にも格式を感じるのはそのせいかもしれない。

シャワーを浴びる頃には窓に朝日が差し込んできた。

接続しなかったがネットワークはADSLのようだ。

昨夜は鞍山市内の親類の家に泊まった于くんが7時過ぎに迎えに来た。

一緒にホテルの食堂に朝食にゆく。
真ん中に大きな丸テーブルが一つだけ置かれた食堂は元会議室だったようで天井の高い部屋だった。私達の他に三人しか先客がいない。

おかゆの簡単な朝食を済ませてそのまま散歩に出る。

こぢんまりとした別館1号館のフロントカウンター。

平屋建ての別館1号館。

「東山賓館」は広い敷地内にある。

昨夜、本館が満室だったのは結婚式が予定されていたかららしい。

本館のエントランスホール。

于くんにとっては懐かしいという「二一九公園」まで足を伸ばした。
公園と言っても一回りするのに半日以上かかりそうな大きなもので、一時は東洋一の規模を誇っていたそうだ。

「二一九公園」の入り口ゲート。

公園入り口前に建つ鞍山市域をかたどった鋳鉄製のモニュメント。

公園内には大きな池がいくつもある。

決してきれいとは言えない池の水だが、いくつもある大きな池の一つでは大勢の人が泳いでいた。
池の周りには釣り糸をたれる人、ダンスの練習をする人、家族連れで弁当を楽しむ人と地域にとって無くてはならない公園のようだ。

決して綺麗とは言えない水に飛び込む人たち。

公園内に植えられている木には大きな木が多い。

北京でも電気自転車が急速に普及しているが、鞍山では見た目がスクーターそのもので動力が電気という乗り物が走っている。排気量がないこの手のバイクはどんな分類を受けているのだろう。

一見普通のスクーターだが内燃機関のエンジンが着いていない電気スクーターだ。

ホテルに戻り荷造りをしてチェックアウト。
部屋はツインだったが朝食付きで一泊230元(約3,700円)。

北京・崇文門外大街のSollo IIは素泊まりで一泊150元(約2,400円)だからそれと比べても安いと思う。
ホテルを出てタクシーで于くんの親類(お祖母さん、お父さんのお母さん)の家に行き、大歓迎を受ける。

いずれも美形の叔母さん達と祖母さん。

そのうちに于くんのお父さんもやってきた。半年ぶりの再会に握手するお互いの手に力が入る。

聞くと于くんのお父さんは鞍山出身なのだそうだ。これからお墓参りに行くというお父さんと于くんについて行くことにした。家の前からタクシーを拾って20分くらい走っただろうか、鞍山の鉄鋼会社の横を抜けてゆくと大きな霊園「千秋墓園」前に出た。

千秋墓園入り口ゲート。

墓地に行く手前に煉瓦が積み上げられた炉がいくつも並んでいる所があり、ここで模擬紙幣を燃して故人を供養する。

煉瓦を積んだ炉が並んでいる。奥の壁に空いた窯も同じ目的の炉だ。

模擬紙幣を燃して故人を供養する。

日本で墓参りに必要な水は一切使わない。
墓前に線香、酒、煙草などを備えるのは同じ。お詣りの仕方は日本のように墓前にしゃがんで手を合わせるのではなく五体投地に似ている。

造化で飾られた墓は開けた場所にあるせいか印象が明るい。

千秋霊園の真ん前は大きく削られた裸の山で鞍山市が鉄鋼・製鉄の街であることを象徴している。

大きな煙突が立つ山の下が鉄鋼会社。

霊園前に待たせておいたタクシーで戻ってから賑やかに昼食。

お祖母さんも穏やかな笑顔で同席。近くで暮らす伯(叔)父さん、叔(伯)母さん達にも集まった。

早速、白酒の栓が開けられる。正直昼間から強いお酒は飲みたくないな~と思いながら、歓待してくれる皆さんに失礼の無いようにグラスを空ける。

いずれも中国東北地方の家庭料理だ。

彼らにとって于くんは一族の星という印象で、常に話題と笑いの中心だ。彼の前でこの話題はタブーだが、何時嫁さんを連れて来るのかと周囲から攻められ通しだった。

于くんを囲む親戚と賑やかな昼食が始まった。

昼食中に配達されてきた袋を見たら牛乳だった。

食後の一時もあっという間に過ぎ、名残を惜しまれながら家の前でタクシーを拾い再び長距離バス乗り場に。

バス乗り場周辺で果物を売る露天商。

お父さんが指定券を買ってくれていたがバスに乗り込んだときには既に満席。

指定チケットを持っている人が後から来ても、先に座っている人が強い調子で席を譲ろうとしない。

とうとう乗務員がやってきてチケット通りの席に座るようにと促してバスの中は大騒ぎ。鞍山→盤錦はおよそ2時間、バス代は20元(約320円)ほど。

バスは16時20分に鞍山を出発。
エアコンのないかなりくたびれたバスで速度を上げるとバス全体がガタガタいう。このバスの運転手もクラクションを多用した怖い運転だった。

時には人も歩いている車道をクラクションを鳴らしながらバスは往く。

バスの窓から走り去る鞍山の様子をスナップ。

途中でミゼットの生まれ変わりのような小型三輪車やロバが引く荷車、三頭立て荷馬車にも出会う。
三頭立ての馬車はあっという間に通り過ぎてしまい撮影できなかった。残念。

かつて日本で走っていたミゼットを思い起こす軽三輪自動車。

盤錦に入ってから見かけたロバが引く荷車。

18時20分盤錦着。

2時間の神風バスだった。バス停からタクシーで興隆台採油廠内の于くんの実家に。
興隆台採油廠は盤錦の石油会社の一つ。盤錦では石油会社毎に大きなコミュニティが作られている。

家に着くと明るく元気なお母さんに促されて、挨拶もそこそこに直ぐにシャワーを使わせてもらう。酷く喉が渇いているのは北京を出てからずっと十分な水分補給ができていないせいだろう。シャワーから出て飲料水タンクから冷たい水をがぶ飲みする。

お母さんの手料理で夕食。話は尽きないが通訳の于くんも自分の話で手一杯。こちらは「很好吃!」を連発してひたすら食べるに徹するしかない。

相変わらず料理上手なお母さん。賑やかなテーブルだ。

食後はブログ用の写真を用意して11時にベッドにはいるが、珍しく直ぐに寝付けない。
鞍山で買ってきたDVDを見ながら、3時頃寝る。


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