【4月30日(木)】 ワット・パ・ケ(Wat Pa Khe)
少年僧達の後を追って路地を入ると直ぐに大きな寺院の前に出た。
◆ ワット・パ・ケ(Wat Pa Khe)
ワット・
シーフッタバート・シッパラム(Wat Siphouttabath Thippharam)とも呼ばれている。
「ケ(Khe)の木の森の寺院」と名付けられたこの寺院は、ルアンパバーンから中国・昆明へ出す使者に対する敬意を表すためシャンタラット王(Chantarath/在位1851 - 1872年)によって建てられたと言われている。
ケ(Khe)がどのような木なのかは分からない。
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ワット・パ・ケの本堂と少年修業僧。 |
奧に進むと漢字が刻まれている顕彰記念碑が建っている。この寺院への寄付を顕彰したものだ。
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島根県出身、神戸在住と読める顕彰記念碑。 |
顕彰記念碑の左、長い石段を少し登った所で少年僧達がワイワイやっている。近づくと駄菓子屋の前だ。この急な階段は上っても好いのか少年僧達に訊いたら『オッケー』。
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少年僧達も駄菓子屋の前では普通の子供。 |
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両側にナーガ(龍/蛇神)を配した長い石段。 |
石段を登り切ると小山の上に建つ建物の下に出た。建物の中はガランとしたフロアーがあるだけ。
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何に使われるのかガランとしたフロアー。 |
ガランとしてフロアーで風に当たりながら街を見下ろしていると、少年修行僧が一人やって来た。話しかけたら『ニホンと言います。』と返してくれた。えっ、ニホン?
綴りは Niphon だという。微妙に違うが彼の発音は間違いなく『ニホン』、日本と同じ音だと教えたら急にしゃべり出した。
ニホンくんは16歳でルアンパバーンから遠く離れた地方から勉強に来ているのだという。
ラオスには学校が足らなくて、地方にいては勉強することができないという。来年、高校三年だが、その後、どうなるのだろう、自分でも分からなが大学で勉強を続けたいのだそうだ。
故郷では『妹が僕に会いたがっているんだ』とポツリ。
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大学に進みたいというニホンくん。 |
フロアーの左奥、小山の縁に白い小さな祠がある。入口から中を覗いて見ると、深い空洞の底に足跡のように見える大きな窪みが並んでいる。仏足石だ。
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仏足石を収めた祠。 |
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暗くてよく分からないが仏足石が見える。 |
がらんどうのフロアーに戻り、道なりに奥へ進む。
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ナーガを配したフロアーから奥への小径。 |
この小径から振り返るとフロアー全体の様子が分かる。
このフロアーの建物と仏足石が収まる祠はワット・スモ・タヤラン(Wat Thummo Thayaram)と呼ばれた寺院の廃墟だ。
ここから山のアチラコチラに安置されている仏像の間をぬって、さらに上って行く。
ワット・パ・ケを参拝するつもりで奥へと進んできたが周囲はいつの間にか山の中。ワット・パ・ケの境内はとうに外れてしまったようだ。
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いつの間にワット・パ・ケの境内を出てしまったようだ。 |
さらに奧まで進むと急な上り階段と、その側の小屋の前に出た。
小屋の前を通り過ぎようとすると中から呼び止めるような声がする。振り返ると何か紙片をヒラヒラさせながらしきりに何か言っている。料金を払えと言っているようなので『多少銭?』。
ヒラヒラさせていた紙片を受け取り、20,000Kip(約302円)を払って小屋の前の階段を上る。
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通り過ぎようとしたら呼び止められた料金所。 |
渡されたチケットには「Phu Si」の文字が見える。ワット・パ・ケの奥がプーシー(Phu Si/Phou Si)に続いているのを知らずに来たので、これは意外だったがラッキーでもあった。
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That Phu SiとWat Tham Phu Siの拝観券。 |
◆ プーシー(Phu Si)
料金所前の急な石段を登り、洞窟寺院ワット・タム・プーシー(Wat Tham Phu Si)の前を通る。洞窟寺院と言っても大きな岩陰に仏塔と仏像が安置してあるだけだ。
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ワット・タム・プーシーの仏陀と弟子の像と涅槃仏。 |
さらに上って行くと、
別の涅槃仏とその隣のナーガを光背にした仏像、両手の平をこちらに向けた立仏像が並んでいる岩の前に出る。
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もう一体の涅槃物。 |
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岩の上の仏像群。 |
山の小径が大きく曲がるその曲がり角、ルアンパバーンの待ちを見下ろすように仏塔が建っている。
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街を見下ろす仏塔。 |
今度は山の緑から剥き出しになった岩の上に、寺院のものとは思えない金属製のオブジェが鎮座している。
大砲の残骸のようにも見えるが何か違う。裏側を見たり、内側を覗き込んだりしたのだが用途が想像できない。
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用途不明のオブジェ。 |
道はさらに上りが続く。結構険しい。
木立の間からルアンパバーンとナムカーン川を見下ろしながら一息。
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プーシーから見下ろしたルアンパバーンとナムカーン川(写真をクリックすると写真は大きくなる)。 |
改めて地図を見ると、ルアンパバーンのメインのエリアはメコン川とナムカーン川に挟まれた僅か250mほどの幅、メコン川に沿った1,500m ほどの半島部で、トゥクトゥクさえ要らないくらいの広さだ。
ようやくたどり着いたプーシーの頂上付近にあるのが小さな寺院、ワット・チョムシ(Wat Chom Si)。
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ワット・チョムシ。 |
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ワット・チョムシの仏像群。奥から出てきたのは売店の小母さんだった。 |
プーシーは150メートルほどの小山だと言うがずいぶん上ってきた印象が強い。急な勾配が続いたせいだろう。
この山は「アマ・ルーシーとニョティカ・ルーシーという二人の仙人が神に導かれてこの山にたどり着き、ルアンパバーンの街を造った。」という伝説から仙人(ルーシー)の山(プー)と名付けられたのだという。
登り切ったところにある金色の仏塔は1804年にアヌルット王によって建てられたタート・チョムシー(That Chomu Si)。
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タート・チョムシー。 |
プーシーを越えるようにして反対側に下りる道は赤い石段が続く。
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下りはずっと石段が続く。 |
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山の中程に円形の石垣に囲まれた木があるが、何? 供え物があるのでご神木か。 |
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ご神木の前から一気に下る。 |
下り続けて出て来た所は国立博物館の前、シーサワンウォン通り(Sisavangvon Road)。
目の前の国立博物館の敷地には真新しい寺院、ホー・パバーン(Haw Pha Bang)が建ち、真っ白な基壇が眩しい。この寺院、1963年に建設が始まったそうだが、その後動乱が続いて工事は一時中断、完成したのは2006年。
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豪華な佇まいを見せるホー・パバーン。 |
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国立博物館前からプーシーの小山を仰ぐ。 |
上り下りで流石に喉が渇いたので宿に戻る途中、ペットボトルの水 3,000Kip(約45円)を購入、今さら熱中症もないだろうが用心のために飲みながら歩く。
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国立博物館前からのシーサワンウォン通り(右がプーシー)。 |
シャワーを浴び一休みしてから、昼間スッカースーム通りで見つけたラオス料理のレストラン、タマリンド(Tamarind)で夜の食事。
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旅行者で賑わっているタマリンド。 |
テーブルに案内してくれたスタッフに『初めてルアンパバーンに来て、この店も初めてなのでお勧めを……』
勧めてくれたのがラオ料理五種盛り(Five Bites)/カオ・ニャオ付き 45,000Kip(約680円)。
ビアラオ大瓶 15,000Kip(約227円)、コーヒー9,000(約136円)、〆て69,000 Kip(約1,042円)。
一々覚えられないのでメモ代わりにメニューの写真を撮らせてもらった。
ラオ料理五種盛り(Five Bites)の皿にのっていたのは以下のとおり。
- Soi Oua (Luang Phabang pork sausage)
- Som Pak Gat (Leafy green vegitable pickle)
- Sinh Savanh ('Heavenly' dried buffalo meat, sweety flavored)
- Sa Mak Keua (Minced pork, eggplant, bannana flower with bamboo and sesame seeds)
- Miang percels (Leafy wraps of delicately flavored rice & aubergine pastes with herbs & noodles)
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ローカルな香りが豐で非常に美味しかったラオ料理五種盛り。 |
この店なかなか好い。混んでいる理由が分かる。
支払いに出したクレジットカードが通らないというので、別のカードを出したらそれもダメだという。
『旅行で何時も使っているカードなのに……』と言うと、『初めて来店する客のカードをシステムが認証しないことが好く起こるので、もう一度トライさせて欲しい』とフロアースタッフに替わったマネージャー氏。
何処かに電話を掛けて、何やらやり取りしていた。結局、最初に出したカードで無事決済。
最初のスタッフの対応は、電話で決済会社とやりとりするのが面倒なのでカードが通らないと言って来たのかな。
隣の席に座ったのは日本女性の若い二人連れ。この店の土産にラオ・コーヒーを買おうかどうか二人で迷っているようなので声をかけると、二人ともホーチミンに住んでいるのだという。ラオコーヒーを買って帰ったようだ。
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他日、ランチの時に撮影したレストラン・タマリンド。 |
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