【4月28日(日)】鴬歌
祭りと屋台を後に鴬歌に移動するためにバス停へ。
鴬歌行きのバス停が見つからない。やっと見つけたバス停には行き先と路線番号、停車駅を書いた標識がない。バスを待っている人に、鴬歌行きのバス停はここで好いのか尋ねると、彼女も鴬歌に行くのだというので一安心。
やって来たバスは桃園客運バスが運行するミニバスでほぼ満席。
最後尾の空いた隣に座り、隣の青年に挨拶する。はにかみながら相手をしてくれた。なかなか会話が成立しないのだが、彼も気を使っているのか色々と話しかけてくる。ここで下りたいのだと下車するバス停の名前を彼に示すと、今通り越して来たのがそのバス停だという。
彼が通り過ぎたところまで一緒に行こうと言って、親切にも次のバス停で一緒に下りてくれた。歩きながら彼の仕事を聞くと軍人だという。名前は蘇士欽くん。乗り過ごしてしまった陶瓷博物館の前で分かれるときに、蘇くんに写真を撮ろうというと敬礼してくれた。
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蘇士欽くん。 |
新北市立陶瓷博物館はバス停の真ん前、鴬歌は台湾最大の焼き物の街、どんな作風の焼き物に出会えるのか楽しみだ。
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新北市立陶瓷博物館の入口。 |
焼き物の博物館と聞いていたので歴史的な赤煉瓦の建物を想像してきたのだが、案に相違して近代的な建物だった。
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陶瓷博物館前景。 |
入館は無料。
入館して最初に右手の中二階で開催中の「台湾硘聲 林添福 88 陶芸個展」を見る。
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「台湾硘聲 林添福 88 陶芸個展」の垂れ幕。 |
林添福は台中の苗栗縣竹南鎮山佳里に「竹南蛇窯文化工作室」を設立した台湾では著名な陶芸家。蛇窯は窯が蛇のように長いことからそう呼ばれるようになったようだ。見たことはないが登り窯のような窯か?
蛇窯はほとんど現存していないそうだが、竹南蛇窯は台湾で最も完全な形で保存され、現在も使用されている伝統的な窯として、2001年に「歴史建築」文化資産として登録されている。
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韓国の焼き物に通じるものが見られる林添福の作品(一部)。 |
林添福の作風は自分の好みではないが力強さは伝わってくる。
総じて台湾の新しい陶磁器は日本とは随分と趣が違い、形の遊びやデザイン的な手法でエレメントを付け加えて作り上げたものが多く、好みではないので展示品を撮影しなかった。
館内は中央が吹き抜けになっており、緩いスロープで上階に移動できる。
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中央が吹き抜けになっている館内。 |
地上3階、地下2階の常設展示場は台灣傳統製陶技術、台灣傳統陶瓷發展、鶯歌陶瓷發展、紀元前・原住民時代・現代陶藝、工業和精密陶瓷の5つのテーマに分かれている。
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常設展の一部。 |
陶瓷博物館の前の文化路を北上して台鉄のガード手前で左折、中正二路に入る。急な勾配を進むと台鉄を跨ぐ陸橋に出た。丁度、特急の「太魯閣号」がやって来た。日本でも話題になったJR九州の885系をベースにした傾斜(振子)式の列車で新竹―花蓮などを走っているようだ。
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太魯閣号。 |
陸橋を下りると尖山埔路、陶瓷老街の中心となる老街だ。
200年以上の陶磁器の歴史をもつという尖山埔路は鴬歌窯業が生まれた街だというので、ひなびた街路を想像していたが、両側に陶磁器店や土産物店が並ぶ街並みは、整備された観光街になっていた。
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陶瓷老街(尖山埔路)。 |
陶瓷老街に特に欲しいものも無く、陽も傾き始めたので台北に戻ることにする。
鴬歌駅に向かいながら台北まで台鉄にするかバスにするか迷ったがバスを利用することにした。
中正一路でバス停を見つけた時に西門行きのバスが走り出したところだった。西門行きのバスを待っている間に永寧行きのバスが通り過ぎていったが、しまった永寧まで行ってMRTに乗る手もあったのだったが、後の祭り。
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バス停前の中正一路。 |
次のバスが来るまで待たされること45分、もちろんバス停に時刻表など貼ってない。
やって来たバスの行く先は捷運新埔站前、西門行きではないが同じMRT土城線の駅が終着だ。バスを待つ人は他には誰もいない、あわてて手を上げてバスに乗り込む。
土城線(板南線)、新廬線MRTを乗り継いで無事松江南京駅に到着。
ホテルに戻る前に昨夜「伊通特製麺食韓国料理」に行ったったときに見つけておいた赤い看板の「鲁肉飯・汕頭麺」で夕食。
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開業したばかりの「鲁肉飯・汕頭麺」。 |
滷肉飯45NT$(149円)と滷白菜湯30NT$(99円)、茄子と葱の炒め物30NT$(99円)。家庭の総菜がそのまま出てきたような皿の上だ。一日歩き回ってきた割りにはこんな量で十分。
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家庭の総菜をそのまま。 |
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