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  2009年8月:大連
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旧ロシア人街ビール祭り

【8月2日(日)】ビール祭り

ノンビリした昼食の後、長江路を勝利橋から大連火車站(大連駅)まで歩く。

旧ロシア人街を見学するために路面電車を降りた時は気づかなかったが、勝利橋停留所はかつての都電の停留所のように路面より一段高くなっていた。大連の停留所も路面に白線を引いただけの停留所ばかりではないようだ。

長江路にある勝利橋停留所。

大連駅前広場に出る直前で前を往く男性の左袖に黒い腕章があるのに気づいた。
親を亡くした彼は一年間、喪に服していることを現す喪章を外すことはないそうだ。すたれつつある中国の慣習だと劉丹さん。

左腕の黒い喪章で一年間家族の喪に服すお兄さん。

大連駅(大連火車站)と駅前広場。

大連駅前から路面電車201号線に乗る。
終点の興工街停留所の手前まで来たところで、中国で見るのがこれで2度目になる尖り屋根に十字架の建物、教会があった。教会の壁には漢字で基督教礼拝堂とある他にハングルも見える。

中国では珍しい基督教教会。

路面電車が長江路から西安路に大きくカーブする交差点に信号機が6基並んでいた。
矢印とアルファベットのBが点灯していたが、こんな信号が並んでいる道路でハンドルを握りたくない。

一列に並んだ6基の信号。

202号線の興工街停留所。

興工街停留所で202線に乗り換え星海広場停留所で下車。
ここは昨日も来た星海広場だが様子が違う。全く違うエリアなのだろう。

高層マンションが並ぶ星海広場前の中山路。

フェンスの左側が星海広場。道路は中山路。

さぁ、ビール祭りだ。
会場の入り口まで臨時に作られたフェンスに沿って並ぶ行列の後ろにつく。
入り口の前まで進んで入場券が要ることが判明。『エッ、金とるんかネ?』だ。
入場券売り場は道路の反対側にあるという。李春光くんが入場券売り場まで走ってくれた。

「第11届中国国際啤酒節」会場へのゲート。

入場券は一人10元(約150円)。入場券の上半分は割引券じゃなくビール会社の広告。

「第11届中国国際啤酒節」の入場券。

もう一度入場ゲートに並び直す。入り口の切符きりのお兄さんに『並ぶ前に入場券を持っているか訊け。入場券売り場が遠すぎるじゃないか。』と思い切り悪態をついいて会場に入る。中は広い、とにかく広い!

会場内はとにかく『広い!』の一言。テントはビール会社の出店。

総面積110万平方メートル、アジア最大の巨大広場にいるわけだ。

こんなに広い会場でビール・フェア、『トイレはどうなってるんだろう?』と思う間もなく答えは空に浮かんでいた。
遠くからでも分かるように『W.C.』と書かれたプレートを提げた大きな風船が会場内のあちらこちらに浮かんでいる。

『この下にトイレ有り』を告げる風船。

早速ドイツのビール会社「Moosbacher」のテントから。日本では聞いたことがないビール会社だ。
まだ時間が早いからだろう、広いテントの中に客は誰もいない。

ここがビールを呑む人で一杯になるらしい。

慣らし運転と言うことで3人で「Wheat Beer」というのを1本頼んだがジョッキがでかすぎる。
値段はハッキリ覚えていないが1本20元(約300円)くらいだったような気がする。

日本では馴染みがない「Moosbacher」社の「Wheat Beer」。

その先のテントは「Beer 719 Bar」と「Carlsbarg」の文字が見える。
Beer 719 Barは中山区にあるカフェ・バーだ(大連市中山区長江路71-9号/電話:0411-3955-3333 )。

「Beer 719 Bar」のテント。

この「Beer 719 Bar」は輸入ビールの銘柄を揃えていることで大連でも知られた店のようだ。

ずらりと並べられた輸入ビールの数々。

その中から見覚えのあるベルギーの「Leffe」を選んだ。

ベルビーの濃いビールを舐めて通路に戻る。
中国の珠江啤酒(PEARL RIVER BEER)や燕京啤酒(YANJING BEER)、雪花啤酒(SNOW BEER)、哈爾浜啤酒(HARBIN BEER)、大雪啤酒(DAXUE BEER)などの大きなサインやテントが見える。

だんだん人出も多くなってきた。

缶ビールで造られた珠紅啤酒(PEARL RIVER BEER)のディスプレイ。

ビールテントが並ぶ通路の向かい側は中国各地の名産を売る屋台が並ぶ。屋台を見て歩くだけでも楽しい。

朝鮮族打糕っは餅菓子の一種。

杵を台の上の餅に力一杯打ちつけていた。

ザリガニの辣油揚げ(?)は鬼街で食べたザリガニと同じ香りだ。

麻雀は中国では雀のこと。

『香飄飄章魚小丸子 北海道美食』は好い香りのタコ焼きとでも言うのだろうか、しかし何で北海道美食なんだ?

たこ焼きの看板に北海道の文字。

看板の下は紛れもない「タコ焼き」だ。

劉さんによれば、大連の人にとって日本を連想させる言葉では北海道が一番なのだそうだ。

さらに進むと『泰国昆虫宴』の張り紙に炸海馬(タツノオトシゴ揚げ)、炸海蛇(ウミヘビ揚げ)、炸海狗(オットセイ揚げ?)、炸金蛹(金サナギ揚げ?)、炸金蝉(金セミ揚げ?)、炸蜘蛛(クモ揚げ)、炸蜈蚣(ムカデ揚げ)、炸蝎子(サソリ揚げ)の文字がと並んでいる。「炸」は油で揚げる意味だと思うが唐揚げのことか?

食用虫を売る屋台の張り紙。

「泰国昆虫宴」の張り紙の下に並ぶトレーには串揚げ用の虫たちが並べられている。
炸海蛇や炸海狗がどれなのか分からなかったが、以下に撮影できた一部を紹介しよう。どれもれっきとした食べ物として売られていた。

ムカデの串揚げ。

サソリの串揚げ。

蝉のサナギの串揚げ。


クモの唐揚げ、何処をどうやって食べるのかは分からない。

泰国はタイのことだがバンコクの屋台ではこういう串揚げを見かけたことがない。
タイの山間部のものなのかもしれない。泰国昆虫といっているが中国南部でそう呼んで食べているのではないか、と李くんはタイの食習慣説を否定。写真を撮っている間にこれらの泰国昆虫炸を買う人は一人もいなかった。

この鮫をどうやって食べるのか、雪花啤酒のテントで。

会場を一回りしたが、ビール会社のテント入場料が一人100元でビール大瓶6本付きとか、300元で飲み放題・食べ放題とか、何処も似たり寄ったりの料金、とてもそんなに呑む気はないので冷やかして覗くだけにしておいた。
どのテントも大きなステージを用意し、ロックバンドの演奏や踊りのアトラクションで客を呼び込んでいる。

結局、呑んだビールの代金だけで良いという至極当たり前の料金設定をしていたアサヒビールのテントに入ることにした。
このテント入り口で浴衣を着たスラリとした女性が二人愛想を振りまいている。この二人とてもよく似ているので聞いてみたら中国人の双子モデルだった。

愛想のよい双子モデル嬢。


テント右の入り口に双子のモデル嬢が立っている。

テント内はステージで演奏するバンドの音で話ができないほど。

しばらく飲んでいると劉さんが席を探して通路を行く人の中に彼女の職場の同僚、藤部浩寿さんと奥さんの舒亞群を見つけた。この広いビールフェア会場で職場の同僚に出会った偶然に、一同しばらく興奮が収まらない。生ビールのピッチャーを頼み直してリスタート。

藤部くん、李くん、劉さん、舒さん。

5人で10時半過ぎまでひとしきり大騒ぎしてアサヒビールのテントを出る。他のテントを覗いてみたがどこも一杯の人で同じような喧噪だ。

他のテント内も同じような騒ぎ。


イルミネーションの下では、いつ果てるともない歓声が上がっていた。

会場出口まで戻り、それぞれ帰宅方向の違う李くん、劉さん、藤部夫妻と別れてタクシーでホテルに戻る。タクシー代は22元(約330円)。星海広場から中山広場のホテルまで思っていたよりずっと近かった。

メールをチェックすると息子からメール。今日一日、携帯電話にかけ続けたが繋がらなかった、緊急なのでメールしたとある。そういえば、携帯電話は電源を入れずに鞄に放り込んだままだ。

袖ヶ浦の義弟が急逝したので至急連絡するようにと言うメッセージだった。病に伏せっているという話は聞いていないし、事故にでも遭ったのだろうか。電話は明日の朝にしよう。

  • 23:45分頃、突然部屋の明かりが全て消える。廊下に出てみると全館が停電しているようだ。フロントへの電話は通じない。何処かの部屋から怒鳴り声が聞こえてきた。もう一度廊下に出ると懐中電灯を持ったホテルマンが一つずつ部屋を回って何かを確認している。停電は10分ほどで復旧した。
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