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  2007年2月:北京・磐錦
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【3月3日】 怡郷春竹火鍋

いつも決った時間にベッド横の窓からかすかに物売りの声が聞こえてくる。
カーテンの隙間から覗くと三輪自転車が通り過ぎる所だ。後で聞いたら不要品の回収業者だった。

7時半起床。

お父さんは卓球を教えに出るところだった。8時半、お母さんと二人で豆乳と揚げパンで朝食。
9時頃電話の音で于くんが起きてきた。

窓の下を通る不要品回収業者。

11時30頃、昨夜一緒だった項くんが動かなくなった于くんのパソコンを修復しにやって来た。
項くんはパソコンにかなり強いらしく、しばらくいじっていたようだがRAMが飛んでいるみたいだという。

周くんもやってきて賑やかにに昼食。お母さんは息子の同級生達に囲まれて嬉しそうだ。食事が済んでも子供時代の思いで話が尽きることなく続く。

かつての悪ガキ三人衆と一緒で嬉しそうなお母さん。

3時半、壊れたパソコンを周くんの車で電機街に持って行く。項くんの知人がやっているパソコンショップに直行する。

磐錦市の電機街の一角。

キャビネットを開けてボードをチェックしていたが結局RAM交換で復活。OSの再インストールを依頼しパソコンを置いて店を出る。

左側がパソコンを持ち込んだショップ。

中国に来て初めてみた着ぐるみによる宣伝活動。

電機街を後にして、北京にはリムジンバスで帰ろうとチケットを手配してから街の外れにある石油採掘機を見に行く。

荒涼とした風景の中に採掘アームがゆっくりと上下している。初めて動いている実物を見る。自分の日常にない光景の中に立って一寸感動だ。

アームをゆっくり上下させている石油採掘機。

石油採掘機の辺りはジッとしていると寒くなってくる。
何処へ行くのか車に戻って走り出し途中で項くんを彼の家の近くで降ろしてさらに走り続ける。

着いた所は大型の温室かと思わせる建物の前、レストラン「生態酒店」だ。ドアを開けて入ると中はあまりのだだっ広さにあきれるばかり。

温室の中にいるような気分にさせる「生態酒店」内部。

水槽が並んだ一角はさながら水族館、水槽には初めて見る魚もいる。

猪の鼻先のような魚はこれも食用。

後足が旨そう。

水槽の真向かいのテーブルにはでき上がった料理が並んでいる。刺身もあったが注文する気にならないような仕上がりだった。

ずらりと並んだ料理を目で楽しむ。

店内をあちこち見学していると于くんの叔父さん郭継風さんと奥さんが姿を見せた。ここで夕食のために待ち合わせをしていたようだ。

お茶のサービスをしていたが有料だというので飲むのをやめた。

入った店は「生態酒店」に隣接する「怡郷春竹火鍋」。

ホテルのフロントを思わせる「怡郷春竹火鍋」の入口。

個室が並ぶ「怡郷春竹火鍋」の廊下。

于くんの家で郭さんに初めて会った日に白酒で酔い潰れた私に好感を持ってくれたようで、今夜の席も郭さんが設けてくれたのだと後で聞いた。

そんな郭さんが『今日はそんなに呑まないから大丈夫ですよ』と声をかけてくれたが、なんのなんの大人三人は白酒(パイチュウ)でないと、といいながら地元産を1本注文して乾杯。

ウエイトレスがコップを三つ並べて口元まで均等に白酒を注ぐのは中国の礼儀(流儀?)のようだ。

郭さんのご招待で上品な鍋料理を堪能した。

ヒラメの刺身を注文してくれた。
魚の味は新鮮で美味しかったがワサビがとんでもない代物だった。
ワサビの辛さのエキスだけを濃縮したような練りワサビでとても使えなかった。生牡蛎も試してみたが新鮮で美味しかった。

ヒラメのお造りの本体は後で空揚げとしてテーブルに出てきた。

ヒラメの刺身が出たところで河豚のことを聞いてみた。

中国の河豚料理の出し方は変わっていて、料理長が自ら調理した河豚を客のテーブルに運び、最初の一口は料理長が箸をつけるという。そして5分ほどその場に立って見せ何もお起こらないことが分かってから客が箸をつけるのだという。

嘘のような本当の話だそうだ。

「怡郷春竹火鍋」のイルミネーションはこの時期だけなのか一年中なのか?

9時に店の前でご両親、叔父さんご夫妻を別れる。

周玉くん夫妻が車で迎えに来たので何処かに行くのだろうと思っていたが案の定、着いた先は「老妹子烤鳳爪」。北朝鮮料理の店だった。

「老妹子烤鳳爪」。

シュリンク・ラップされた状態で出てきた食器セットは今まで見たことがない。

「老妹子烤鳳爪」は焼き物の専門店だそうで羊のペニス、ドジョウ、蚕のサナギ、ドジョウインゲンを筏のように細い鉄串に刺して唐辛子の粉をまぶして焼いたもの、ニラを炒めたもの、鳥の足の空揚げなどが出てきた。

中でもドジョウインゲンを焼いたものが美味しかった。

羊のペニスは話の種程度。コリコリした歯触りだった。

店の名前の由来になっている鳥足の空揚げ。

串焼きにした蚕のサナギ。

料理が揃った頃、項くんが個室のドアを開けて顔を出した。

于くん、周くん、項くんの三人は本当に仲が良く側で見ていてもお互いに本当に遠慮がない。ここでも酒は白酒。食べ疲れた、呑み疲れた。

空になったビール瓶の一部。

さっきまで火鍋を囲んでお腹が一杯なのに…、これが中国式というやつか。

女性二人は酒が強かった~、どちらも負けず劣らずの酒豪だ。

男もたじたじの様子。中国のレストランや呑み屋は客がいる限り店を閉めないしきたりなので、閉店になりますというリミットがないのでよけいに怖い。

血液型を話題にすると何処に行っても話が盛り上がるようた。周くんO型、張さんB型、馬さんA型、于くんA型、項くんAB型。項くんは体調が優れないらしく途中で帰宅した。

周くんに家まで車で送ってもらい午前2時頃帰宅。5階の窓には明かりが点いている。

お母さんが起きて待っていてくれた。


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