【3月1日(火)】雍和宮
ダイニングルームで朝食をとっていると昨夜連絡がとれなかった上海のBillさんがやってきた。
朝食をとりながら今日、明日の予定を確認する。
Saitoさんを迎えに行く車の中でNITS訪問までの時間を利用して雍和宮 (Yonghe Gong) 見学を薦められ、松田さんと一緒に門の前で下ろしてもらった。
雍和宮はNITSが入っている建物の裏手にある北京最大のチベット仏教(ラマ教)の寺院群だ。
2003年7月にも一度見学に来ている。10時45分に同じ門の前まで車に迎えに来てもらうことにして中に入った。
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雍和宮正面入口。門の奥に見えるのは瑠璃牌楼。 |
入場券(25元/約350円)を買って中に入る。昨夜からちらちらと小雪が舞っている。
雍和門までの参道端には解けきれない雪が残っている。
雍和宮は6万6,400平方メートルの敷地を持ち、南北に昭泰門、雍和門、四体碑亭、雍和宮と並び一番奥に万福閣ががある。
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雍和門に続く参道に立つ松田さん。 |
ここは清代の康煕33年(1694年)に建てられ清代第五代皇帝雍正帝が即位前に住まいとした所で「雍親王府」と呼ばれていた。
雍正帝即位後はここが仮御所とされ「雍和宮」と改名された。
その後、清朝の第六代皇帝乾隆帝が乾隆9年(1744年)
にチベット族やモンゴル族に対する懐柔策の一環としてここをチベット仏教(ラマ教)寺院として寄進し今日に至っているそうだ。
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雍和宮に入って最初の門、雍和門。 |
30cm以上もある線香をもって熱心に参拝する人達の中には若い人の姿も見られる。
門の前は線香の青い煙が煙いくらいに立ちのぼっている。門の上には極彩色の扁額が見える。
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四つの言語で書かれている雍和門の扁額。 |
雍和宮にある全ての扁額は左からモンゴル文字、チベット文字、漢字、満州文字の四カ国の文字で書かれている。
モンゴル族、チベット族懐柔策の現れか?
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万福閣。 |
万福閣の中心には一本の白檀木で造られた地上18m、地下8mの彌勒像が立っている。中国最大の木仏だという。
雍和宮内のあちらこちらにかき寄せられた雪が小さな山になって残っているが、皆うっすらとピンク色をしているのは何故だろう?
北京市街地で見かけた残り雪も同じようにピンク色をしていた。
黄砂を含んでいるのなら黄色くなりそうなものだが、確かめることができなかった。
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万福閣(左)の前に掻き寄せられた雪がうすピンク色をしている。 |
万福閣の左側にある建物(だったと思うがその建物の名前を記録しなかった)に入ると様々なラマ教の仏具が展示されている。
入口を入って左回りに展示ケースを覗きながら奥に進む。暗い天井近くに浮かぶように僧侶が座っているのに気づきギョッとする。
内部は展示ケースのみに照明が当てられて暗いので中空にスポットライトを受けて浮かんでいるように見えるのだ。
雍和宮にゆかりの僧侶の座像のようだが説明板が暗い中でよく見えない。
かすかに英文説明のタイトルに「Directions Of Jie Tai」と読めた。
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暗い説明板ではJie Taiと読めるこの方はどなただろう?
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この他にもガラスケースに納められた小さな艶かしい仏像が数多く陳列されている。
ガラスケースの中に飾られた仏像達はどれも腰が細っそリとくびれ胸も明らかに脹らんでいる。
どう見ても女性のように見えるのだがこれらの仏像の説明を見ても素養のない私にはチンプンカンプン。
何時の日かこれらの仏像に正しい説明をつけることができるようになればうれしいのだが。
中央の像は口元が微笑んでいるように見える。
体はぴたりと張り付いたようなモノで包まれ両腕の付け根に青いリボンを着けている。
左側の小さな像もよく見ると乳首までハッキリ見える。明らかに女性だ。
手首・足首の先だけ体とは違う色をしているがこの像も体にはぴったりしたモノを着ているということなのだろう。右側の像は何やら怖い顔をして左手に弓を持ち右手で矢をつがえて引き絞っている。
ブロンズ色に光るこの像は艶かしいというよりも豊満な印象だ。薄く開いた両目は真直ぐこちらを見ている。
この像の両腕の付け根にも青いリボンが見える。
双子のような二つの像は顔立ちも似ている。右側の像が結跏を崩している(半跏)のが分る。
中央の像は7匹の豚(に見える)が曳く台車の上で結跏を崩して座っている。
後側にも顔が2つあり手は6本のように見える。
左側の像は中央の像と同じように顔が3つ手は8本で捧げ持っているのは何だろう。
右の小さな像は琵琶のような楽器を演奏しているようだ。
左の二つの像は男女交合の歓喜仏のようだ。
中央の像は男女の頭の間に牛の顔が見える。右のやや小さな金色をした像の頭も牛だ。
三体とも千手観音のように手がたくさん出ている。
この陳列ケースの中の左側二体も歓喜仏だ。
左側の像には二つの男性の頭が、それらの頭と女性の頭との間に牛の頭が見える。
中央の像の男性の顔は三つ。どちらも像も手が何本あるのか分らない複雑な造型だ。
右側の二つの像は歓喜仏を眼にした後で見るとなんとも穏やかでまともな仏像に見える。
この二体も歓喜仏。左側の像はおそろしく生々しい。
手も足もからみ合って仏さまの口元からははっきりと紅い舌が出ているのが見える。
右側の像は今まで見てきた像の集大成のようにゴージャスな像だ。
これらの仏像の他にもたくさんの陳列物があった。
車が迎えに来る時間も近づいたので雍和宮を出る。
道路を挟んだ正門前は紅く塗られた土産物屋が並んでいるがどの店も閑散としている。
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雍和宮の門の向い側は土産物店が並んでいる。
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