【8月26日(木)】福海寺(玉皇殿)
目印として目指してきたディエンビエンフー(Dien Bien Phu)通りに出た。サイゴン川の支流に掛かる橋まで行ってみたが目的の福海寺が見つからない。
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ディエンビエンフー通り。 |
福海時はインターネット上で偶然見つけた寺で、持参したガイドブックには情報が何も載っていない。これもインターネット上にあった寺の住所をGoogleMapで検索してたどり着いた場所がホーチミン1区ダーカオ(Da
Kao)地区。
橋の手前で立ち話をしている地元の人とみた二人連れの若い男性に道を尋ねた。『来た道を戻ると途中右手に路地があるから、そこを入ると直ぐにあるよ』と言葉は通じなくても、ガイドブックのおおざっぱな地図を指さしながら丁寧に教えてくれた。
教えられたとおりに戻ると福海寺は直ぐに見つかった。古い寺だ。
門に掲げられた赤い看板には「PHUOC HAI TU(フゥックハイトゥ)」とあるのは福海寺のベトナム語表記だそうだ。
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赤い看板には漢字でも福海寺と書かれていた。 |
福海寺となったのは1900年らしい。それ以前の1892年 - 1900年は中国広東省出身のLiu Ming(劉明か?)が明師教の寺として使用していたそうだ。明師教のことはよく分からない。あるいは道教の一派だったのかも知れない。
境内は濃い緑に覆われて薄暗い。中門には「盂蘭勝會」の赤い幕が掛かっている。日本なら「盂蘭盆会」となるのだろう。
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「盂蘭勝会」の赤い幕が掛かる中門。 |
境内の右隅に細かく枝分かれした太い木がある、と思って良く見たら一本の木ではなく細い木が集まっているようだ。何の木だろう。
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境内の右隅にある木。 |
境内で休んでいたカップルに声をかけてみた。
『私のガイドブックにはこの寺の情報が載ってないが、貴男のガイドブックには何か情報がありますか。』
『チョット待ってね。今、そのところを読んであげる。』二人はイタリアから来ているカップルだった。
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イタリアからのカップル。 |
台湾で見た寺の雰囲気。正面に右から読んで「玉皇殿」の文字が見える。
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手前の池には鯉がいた。 |
玉皇殿の右手の池には亀が沢山いた。高雄の春秋閣の池にも亀が沢山いたのを思い出す。
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フワフワと泳ぐ亀の群れ。 |
玉皇殿の入り口には青い扁額に「福海寺 CHUA PHUOC HAI」とある。CHUAは寺、PHOUCは福、HAIが海。ベトナム語では修飾語が前に来るので「寺」のCHUAが最初に来ているということらしい。
青い扁額の上には素晴らしい木彫りのレリーフがある。どんな物語が記録されているのだろう。
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青い扁額と木彫りのレリーフ。 |
玉皇殿を入って直ぐの左右に祀ってあるのは道教にゆかりの人達だと思うのだが誰だろう。左右で一対だが服装が学者のようだ。像の前に立ててある札にはベトナム語で何か書いてあるが調べて見ても誰なのか分からない。
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かすれていているが「MON QUAN ????」と読める札。 |
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こちらの札には「THO DIA THAN」と書かれている。
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正面が本尊「玉皇上帝」。 |
中央通路を通って奥に入るとここにも左右に大きな像が立っている。顔がやけに大きい。二人とも嶮を持ち背中に幟を担いでいるので、道教を守るために闘った英雄達だろうか。
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足もとにいるのは虎か。
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お腹は龍、手に持つのは龍の玉のようだ。 |
正面に祀られているのが本尊の「玉皇上帝」。赤いロウソクが供えられている。
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玉皇上帝。 |
本尊が祀ってある部屋から細い廊下を通って右側の部屋に回ると、ガラス戸の中に錫杖を持った仏像(観音像)が安置してある。日本で見る仏像によく似ている。
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錫杖を持った観音像。 |
もう一つの部屋には仏像が三体安置されている。それぞれの上には「大雄寳殿」「龍華堂」「菩提普蔭」と書かれいる。これらは仏像の名前ではなさそうだ。三体は日本の仏像よりもバタ臭い顔をしている。
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左から龍華堂、大雄寳殿、菩提普蔭の像。 |
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三体の仏像の反対側。 |
入り口の横に2階へ上がる磨り減った階段があるので上ってみるとバルコニーに出た。
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中央が扁額「玉皇殿」の裏側になるようだ。 |
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バルコニーの出入り口。 |
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バルコニーから磨り減った階段を降りる。 |
十分な情報を持たずに訪ねた福海寺だが、帰国してから調べてみると、12人の仙女(Ba Mu)が安置されている部屋や冥途の部屋などがあったらしい。残念なことをした。
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