【8月24日(月)】狗不理・地下鉄
昼食は何処にしようか「南市食品街」の中と外を見て歩き迷った末に、最初に目についた「狗不理」に決めた。
北京でも見たことがある看板だが、持参したガイドブックにはここが総本店で魚介料理と包子が有名だとあった。
狗不理包子は長い歴史があり、かつては宮廷料理として使われた事もあるらしい。
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狗不理の看板と入り口。 |
1階は包子を食べる客でごった返している。2階に上がると客がテーブルの取り合い。
ウエイトレス嬢に声をかけると3階に行けという。
満席かと思ったら運良く空いた小さなテーブルに案内された。
荷物を下ろして腰を下ろそうとすると、向かい側に後から来た家族連れが強引に座ろうとする。少し大きな声で「ここはダメだ!」というと、声を聞きつけたウエイトレス嬢が来て彼らを別のテーブルに連れて行った。
ルールが生きているみたいでチョット嬉しかった。
中国醤油でむき身の貝(小型のホタテみたいだった)を煮込んだこの料理はウエイター君のお勧め。
貝から出たエキスでソースが何とも薫り高く箸が止まらなくない。それにしてもこれは量が多い。
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剥き貝のソース煮、48元(約768円)。 |
苦瓜を油で炒めてカタクリでとろみをつけただけのシンプルな一皿。
シャリシャリした歯触りとかすかな苦みが重くなった胃に良さそうだ。
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苦瓜炒め、28元(約448円)。 |
小型の厚揚げに油通しをしただけの新鮮な海老が載っている。
小型の厚揚げは色は黒く固めだが、プリッとした海老と一緒に口に入れた時の歯触りは未体験のものだった。
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海老と揚げ豆腐、48元(約768円)。 |
海老、烏賊、もう一つ正体が分からないのだが、ミンチにしてからカタクリをまぶして揚げた、何かの肉とパプリカを炒めたもの。正体の分からない材料が何だったのか未だに謎。
名物「狗不理包子」。
回りの皮はモチモチのしっかり目。あっさりしており何個でも食べられそうな気にさせる味だ。
写真を撮る前に1個食べてしまった。
「狗不理」と変な店の生だ。
「狗」は「犬」で、「不理」は「構わない、相手にしない」という意味。「犬も相手にしない」という意味になる。食堂の店名にしてはおかしな名だ。
「狗不理」の由来を調べたら諸説あるようだ。以下はその内の代表的な説。
昔、平安無事を祈って 「狗子(Gouzi)」という名の人が14歳のときに天津で小龍包の店の店員になった。
その小龍包が美味しくて店は大繁盛。
狗子は忙しくなり客と話しをする時間がなくなってしまった。
話し相手になってもらえない客たちは、 「狗子売包子、一概不理.」( 狗子は小龍包を売るばかりで誰も相手にしない)と愚痴を言い始めた。それから狗子小龍包は狗不理包子と呼ばれるようになった。
天津といえば「麻花」だが、「南市食品街」の至る所で売っているのに、口にする機会を失してしまった。
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「麻花」の専門店店先。「麻花」の形をした右の柱に注目。 |
「南市食品街」の門の前に立つと目の前の古い建物の向こうで高層住宅の建設が進められているのが見える。
古い町のイメージで出かけた天津だったが、チョットした大通りに出ると至る所で高層ビル(それも殆どが住宅)の建設が進められているのに出くわす。
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古い町並みの向こうで進む高層住宅の建設。 |
食後は天津の地図が欲しくて書店を探しながら歩いたが書店が見つからない。
「南市食品街」の門の前を西に南門外大街に抜ける。
左右の古い建物は「南市旅館街(華富宮大飯店)」で現在も宿泊できるようだ。
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「南市旅館街」から「南市食品街」の門を見る。 |
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南門外大街で南馬路方面を見る。 |
「南市旅館街」の前の信号で南門外大街を渡ると「南市旅館街」の大きさがよく分かる。
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「南市旅館街」の向こうにも高層住宅が並ぶ。 |
本屋を捜しながら南門外大街を南に下るも、それらしい店は無し。
通りかかった人に一番近い地下鉄の駅を聞くと指さして『直ぐそこだよ』。これは怪しいと思ったが案の定20分以上歩かされた。
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駅を探しているときに通りかかった路地。 |
汗をかきかきやっと地下鉄1号線「二緯路」駅を見つける。地下鉄1号線は南京路の下を通っている。
道を聞いた辺りからだと「海光寺」駅の方がずっと近かったことが後で分かった。
あいにく持って出たガイドブックが2006年版だったために、この地下鉄の情報が載っていなかったのだ。
地下鉄1号線は一度1984年に開通した線だが、施設の老朽化が進んだため、2001年10月9日より全区間で運行を中止して全面的なリニューアル工事が行われた。運行は2006年6月に再開されている。
地下鉄1号線とあるが現在はこの1本しか走っていない。複数の地下鉄建設計画があるようだ。
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持ち物チェックを受けてセキュリティゲートをくぐる。 |
運賃は乗車駅の数で異なる。
乗車区間が4駅以下は2元、5駅~9駅が3元、10駅~14駅が4元、16駅以上が5元になっている。
今回の乗車区間は「二緯路」から「営口道」までの3駅で運賃は2元(約32円)。
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改札を入るときはトークンを改札機の上に軽くタッチするだけ。 |
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「二緯路」駅の改札口を入って振り返る。 |
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「二緯路」駅ホーム。 |
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地下鉄車輌内部。手摺りが三つ叉になっていた。 |
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ドア上の運行ガイド。赤色がこれから停まる駅。 |
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「営口道」駅改札口。出るときはトークンを手前上のスリットに入れる。 |
乗車券は直径30mm、厚さ3mmのプラスチック製のトークンで、ソニーが開発したもの。
表には「中国農業銀行、天津市分行」とあり、裏面は読みにくいが「単程票」と浮き彫りの文字がある。
裏には他に「天津地鉄、Tianjin Metro」の文字。
実はこれ、改札を出ると時に自動改札機の投入口に入れるとゲートが開くのだが、私が通った自動改札機の投入口には何故か一枚引っかかっていた。それを押し込んで地下鉄を出てきたので自分のトークンが手元に残ったという次第。
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ソニーのフェリカがベースになっているトークンの表と裏。 |
この地下鉄、天津駅を経由していないので「営口道」駅から天津駅までタクシーに乗る。
タクシーが駅前の広場に入ろうとすると警備員に制止されてしまい、駅から離れたところで降ろされてしまった。
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駅前を流れる「海河」。 |
運河を跨いで解放北路と天津駅を結んでいるのが解放橋だが、ここには元々老龍頭橋が架かっていた。
1927年に新たに中央が跳ね上がる跳開橋が建設されたが、その時に老龍頭橋は撤去された。
新しい跳開橋は当初、万国橋、法国橋(フランス橋)などと呼ばれていたが、1949年に解放橋と改名されて現在に至っている。設計者は現在も不明とのこと。
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「海河」に掛かる「解放橋」。 |
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解放橋を渡った駅前ロータリーの世紀時計。 |
書店を探していた時間が思ったより長かったようで、新幹線の出発時刻まで余裕がない。
最後は新幹線の改札まで小走りになってしまった。
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天津駅舎。 |
15:35発の改札前には長い列ができていた。汗をかきながらどうにか間に合いヤレヤレ。
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天津駅構内。 |
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天津駅北京南駅行きホーム。 |
列車は定刻通り出発。
動き出した列車の中で、いつの間にか寝入ってしまった。
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