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  2022年3月:佐渡島
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【3月4日(金)晴】佐渡金山・北沢浮遊選鉱場跡

「しまふうみ」から真野湾沿いに県道 45 号線を北に走り、31 号線に入って佐渡金山へ。

佐渡の金山といわれるが金だけではなく銀も掘られていいた。
主要坑道には宗太夫坑(そうだゆうこう)、道遊坑(どうゆうこう)、無名異坑(むみょういこう)、大切山坑(おおぎりやまこう)など八本があり、東西 3,000 メートル、南北 600 メートル、深さ 800 メートルに広がっているそうだ。

金脈を求めて掘り進められた坑道の総延長は約 400 キロメートル(佐渡−東京間)に達し、1601(慶長6)年の開山から 1989(平成元)年に閉山されるまでの 388 年間に産出した金は 78 トン、銀 2,330 トン、日本最大の金銀山だったという。

ここはその内の一つ、宗太夫坑の入り口。

宗太夫坑入り口。

入館券。

入り口の脇にかかっていた説明板。


 国指定史跡 宗太夫坑

 宗太夫坑は坑口の高さが約三メートル、幅二メートル、坑道の断面が大きい江戸初期に開坑された大型坑道である。
 鉱石の運搬機能と採掘技術が発達した一六九〇年代(元禄時代初頭)頃の主力間歩(まぶ/坑道)の一つであった。部分的に残る「将棋の駒形」の小坑道、採鉱用の小さい狸穴、天井に抜ける空気坑、「釜の口」と呼ばれる坑口とその飾りなど、江戸期の旧坑の諸条件を完備していて、大形の斜坑はゆるやかな傾斜で海面下まで延びている。脈幅・走行延長とも、この鉱山の最高最大とされる青盤脈の西端に当たる「割間歩(われまぶ)」坑の一鉱区として開発された。
 平成六年(一九九四年
)五月二十四日、国の史跡に指定された。

宗太夫坑は手掘り坑道だったというが、階段を降りて坑道に入ると周囲はコンクリートの普通のトンネルだ。

手掘り坑道の面影もない普通のトンネル。

しばらくトンネルを下ってゆく。
やがて見えてきた坑道跡に「佐渡金山絵巻」に描かれている採掘作業を忠実に再現したという展示がリアル。

水上輪と呼ばれる坑内水の汲み上げ作業。

手掘り採掘作業。

坑道を支える杭を設置。

坑内の休息所(右が有名な「馴染みの女」おじさん!)。

見学ルートの最後に「間歩開きの祝い」の様子が展示されている。

正面に見える坑壁の縞模様が金銀を多量に含む立合(たてあい/鉱脈)で、黒い縞がくっきり浮かんでいる富坑帯。前途を祝う間歩開きの祝いは採掘を請け負った山師と金児が見守る中、棚の上では佐渡金山に伝わる独特の祭礼「やわらぎ」が演じられている。

「間歩開きの祝い」は現在も神事として行われている。

宗太夫坑を出て展示資料館に向かう。
館内には「佐渡金山絵巻」に描かれた江戸時代の佐渡金山の様子を1/10に縮尺した五百体の人形や模型で分かりやすく説明している。金鉱石を採掘・製錬し、佐渡小判を作るまでの工程が絵巻に基づいて展示されている。

佐渡奉行所を中心に形成された鉱山町・相川(佐渡金山公式HPより)。

鉱石を水で流して選別する「ねこ流し」(佐渡金山公式HPより)。

享保年間(1716 - 1724)に製造された、佐渡に現存する唯一の鑑定書付き佐渡小判も展示されている。裏面の刻印に佐渡を表す丸に「佐」の字、小判師刻印は丸に「又」の字、吹屋刻印は丸に「神」の字が見えるという貴重な一枚らしい。

見事な佐渡小判。

宗太夫坑がある山の上には江戸初期に路頭手掘りされた跡「道遊の割戸」が見られる。

道遊の割戸。

宗太夫坑から県道 463 号線を 1.5 キロメートルほど下って北沢浮遊選鉱場跡へ。確かに天空の城ラピュタのイメージだ。

北沢浮遊選鉱場跡。

ここには鉱山の近代化に貢献した施設群があり国の史跡に指定されている。
銅の製造過程で使われた技術、浮遊選鉱法を金銀の採取に応用し、日本で初めて実用化に成功した施設で、戦時下の大増産計画によって大規模な設備投資が行われた。一ヶ月で 50,000 トン以上の鉱石を処理できたことから「東洋一」とうたわれた。

基礎部分のコンクリートがしっかり残っている。

北沢浮遊選鉱場跡の隣に建つのは赤煉瓦造りの発電所跡。
1907(明治 40)年に佐渡で初めて建設された火力発電所。500 キロワットのスチームタービン1基が設置され、運転開始とともに製錬所の蒸気機関が廃止されて電動機に切り替わった。

北沢浮遊選鉱場跡に残る火力発電所跡。

浮遊選鉱場の前を流れる濁川を渡ったところに、スターウォーズのミレニアム・ファルコンの一部かと思わせる設備が見える。直径 50 メートルの国内でも最大規模の沈降分離装置(シックナ)で、昭和の大量生産を支えたという。

シックナー(新潟観光ナビHPより)。

北沢浮遊選鉱場跡から 250 メートルほどにあるのが「佐渡版画村美術館」。

佐渡版画村美術館。

高橋信一(1917 - 1986/版画家・高校教師)が指導した版画運動の成果を集めた版画専門の美術館。木版画・銅版画・シルクスクリーンなど多彩な版画約300点を常設展示している。館内は撮影禁止だった。

入館券。

建物は明治の面影を残す「旧相川簡易裁判所」を利用している。

旧相川簡易裁判所を利用した版画村美術館。

簡易裁判所の間取りが掛かっていた。

今日のミッションは全て終了、後はホテルに戻るだけ。美香お気に入りの「しまふうみ」の姉妹店「しまふうみ Coffee & Tea 22」まで移動して一休み。

しまふうみ Coffee & Tea 22。

初体験の塩キャラメルラテ。

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