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  2018年4月:成都
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人間美食三星堆博物館(綜合漢館)三星堆博物館(青銅館)広漢汽車站

【5月2日(水)晴】人間美食

昨夜は大汗をかいたせいか、寝ている間に何度か目が覚めた。
寝る前に持参した風邪薬を飲んだのが効いたのだろう、風邪の熱で発汗したらしく喉と胸先が少し楽になっている。

体調を見ながら今日の予定を考えていたが、そう酷いことになりそうも無いので、まだ暗い内にホテルを出る。

朝食は青年路の路地裏、「開心包子王」の前にある「重慶榮昌鶏湯舗蓋面」へ。

重慶榮昌鶏湯舗蓋面。

客はこのお姐さん達だけ。

肥腸麺の大盛り(12元/228円)を頼んだら三分の二でギブアップ。辛いのでは無く量が大盛り以上に多いのだ。

肥腸麺の大盛り。

地下鉄2号線で天府広場站から成都東客站へ移動(3元/57円)。
成都東客站の隣にある成都東站汽車客運で長距離バスに乗るのが目的。

成都東客站に着いたのは7時を少し回ったところだ。

地下鉄を降りてエスカレーターに乗り、改札口を出たところは地下一階のコンコースで、これが思いのほか広い。地下鉄を降りた人があれだけ大勢いたのに、コンコースに出ると広い空間に吸い込まれてしまったかのように人影は疎らになった。

改札口の前はピカピカの御影石の床に同じようにピカピカの壁。壁の高さは優に5メートルは越えているだろう。広さも高さも大谷石石切場跡よりも大きそうな空間だ。

人が少ない、だだっ広い、どちらの方向に行けば好いのか自動改札口ゆえ、聞きたくも辺りに駅員もいない。

改札口を出ても誰もいないコンコース。

やむなく改札口を出てキョロキョロするうちに、改札口の左手奥にコンビニエンス・ストアを見つけた。

客への対応が終わった女性店員に、長距離バスターミナルへの出口を聞くと、不機嫌そうに大きな御影石の壁にポカッと四角くくり抜いたような、誰も歩いていない地下通路を指さす。あれを往って突き当たりの階段を登ればバスターミナルだと教えてくれた。
心許ないが往くしかない。

階段の下から見上げると出口が見えないほど長い階段で、途中に踊り場が何カ所もある。
階段に並んだエスカレーターに足を乗せてみたが動かない。

階段を登り切ると地上に出た。そこには確かにバスは停まっている。それも狭い露天駐車場に僅かに二台だけ。ここは明らかに長距離バスセンターではない。教えるときに熱心で無いとアテにならないということだ。

道路を隔てた別の露天駐車場の入口に、机に頬杖をついているお兄さんがいるので近づくと左腕に「警察」と腕章をつけている。長距離バスターミナルは何処にあるのか訊いてみる。彼がポケットから取り出したのはスマートフォン。

取り出したスマートフォンをしばらくいじっていた警察(官)が言うには、今登ってきた階段を降りて地下鉄の改札まで戻り駅の反対側に行って地上に出れば、そこが長距離バスターミナルだそうだ。

このやり取りは全てスマートフォン経由の翻訳サイトを介してのもの。

ここを通り抜けて地上へ。

やっと辿り着いた汽車客運、バス乗り場。

長距離バス乗り場は列車の駅のようにデカイ。

やっとたどり着いた成都東站汽車客運の切符売場の窓口の前は長い列。
壁際には自動券売機が10台ほど並んでいるのだが、なぜか利用する人はチラホラ。おまけにこの自動券売機を利用するには中国のIDカードが必要ときている。確認したらパスポートは不可だった。

行列の窓口で手間取ることのないようにと、事前に行き先をメモ書きしてパスポートと一緒に窓口に差し出す。中国では長距離バスや長距離列車の切符を買うときにIDカード(外国人旅行者はパスポート)の提示を求められる。行き先は広漢汽車站(14元/266円)。

成都東站汽車站 → 広漢汽車站の乗車キップ。

手にした乗車券の発車時刻を見たら10:40。
今は8時少し前だから、エ~ッ、3時間近くもここで待つのか。
さて、どうしよう。

とりあえず広漢汽車站までのバス乗り場を確認しておこう。
床に大きく書かれた「乗車」のサインと矢印に従って手荷物検査と身体検査をしているセキュリティ・チェック・ゲートをくぐる。 ここも天井が高く乗車口の並ぶ片側はガラス張りで明るい。 「1号検票口」から「17号検票口」と表示されたディスプレイが、ずらりと並ぶ乗車口の上で赤く光る。

乗車ゲートの前にベンチが並ぶ乗車待合所。

さて、何処ぞにコーヒー・ショップでも有りはしないかと、いったんバス乗り場を出る。
警備員が立つバス乗り場の出口の真向かいに殆ど客のいない大きなコンビニエンスストアを見つけた。
幸い、その前にはテーブルと大きくゆったりした藤製の椅子が並べてある。店員に『コーヒーはどの棚にあるのか?』尋ねても分かってもらえない。
広い店内を勝手に奥の棚に向かうと店員も後を着いてきた。棚の一番上に三つ四つ並ぶ缶コーヒーを見つける(7元/133円)。

缶コーヒーを買って藤製の椅子でバスの出発時間まで粘る。買った缶コーヒーは賞味期限を半年ほど過ぎた稀少モノだった。
大きくゆったりした藤製の椅子でウトウトしたお陰もあって気づいたらバスの出発時刻が近づいている。

バスの座席は指定されていないので前から二列目、窓側の席に小母さんが一人で座っているので空いている通路側の席を指して『空いてますか?』。コックリしてくれたので着席。

バスが走り始めて分かったことは車内に次ぎの停留所の表示がなく、車掌も特にアナウンスしないことだ。メモに「三星堆博物館に行きたいので広漢汽車站に着いたら教えて欲しい」と書いて車掌に渡すと、分かったというように肯いてくれた。

そろそろ到着するのだろう、車掌がやってきて彼女が書いたメモを見せるが咄嗟には何を伝えたいのか分からなくてしばらく押し問答をくりかえす。 やっと分かったことは三星堆博物館へ行くには広漢汽車站から公共バス(市バス)に乗り換えろということのようだ。

やっと広漢汽車站に到着。
成都東站汽車客運から広漢汽車站まで1時間半くらいか。
バスを降りようとすると前の席に座っていた、途中から乗り込んできた若い女性が『三星堆博物館に行くのか、私達も同じところに行くので好かったら一緒に行かないか?』

バスを降りてみると20代前半の三人連れだった。
バスよりもタクシーで行こうと声をかけてくれた彼女は『陳です』と自己紹介して、直ぐにスマートフォンを取り出していじり始めた。タクシーを呼んでいるようだ。。

タクシーの手配をする陳さん。

やってきたタクシーはどう見ても白タクだ。
帰国してから調べて分かったことだがスマートフォンで呼べる白タクは合法のようだ。
スマートフォン上で乗るタクシーを決めるときに、乗車区間と乗車料金を確認してオーケーすると、その時点で料金が決済されるそうだ。

そのタクシーで三星堆博物館へ向かう。
走ること20分、博物館の手前でタクシーを降りて「人間美食」と言うおかしな名の食堂で昼食。

人間美食入り口。

ハッキリは教えてくれなかった二十代前半の三人は、広東で薬事データを分析する仕事をしているそうだ。

どうりで料理を注文するときに陳さんが辛くない料理は無いのかと、メニューを持ってきた店員に訊いていたが広東から来ているのなら納得。
四人で写真入りのメニューを囲みながら、これは辛い、いやこちらの方が辛くない、とワイワイ言いながら頼んだ料理は以下の四品。

広い庭に点在する客席。

◆ 空心菜 (Kongxincai)。
辛い味が苦手な陳さんのリクエスト。ニンニクのパンチが効いてる。

空心菜。

◆ 過鍋鏌鏌(Guoguomomo)。
ウイグルの料理に似ているが辛い。皿の周囲に並ぶ丸い硬めの揚げパンは中央に盛られたジャガイモと豚肉の煮汁をつける。。

過鍋鏌鏌。

◆ 太安魚 (Taianyu)。
魚を角切りにして麻辣味で炒めた一品で当然辛い。食べ続けたら飽きが来た。
太安魚は魚の名前では無く重慶の「太安」と言うところから広まった料理ということらしい。魚の名前は花鰱と言う淡水魚を使うのが一般的と聞いた。。

太安魚。

◆ 梭辺魚 (Suobianyu)。
今日の料理の中で一番辛いが一番旨かった。これはいくら食べても飽きが来なかった。この味と香りを文字にできたら我が人生は変わっていたハズ。。

梭辺魚。

結局、空心菜以外はどれも辛い料理だった。

並べると豪華な昼食会状態。

食べ終わって会計をするときも、店員と陳さんがお互いのスマートフォンをかざして終わり。

これで支払い完了。

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