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【2月18日(土)】 韓中日出版タイポグラフィー・セミナー(第一部)

宿泊したニュー国際ホテルの壁には「韓中日出版タイポグラフィー・セミナー」を歓迎するバナーがかかっている。

宿泊ホテルに掲げられたバナー。

◇セミナーの開催概要は以下のとおり

テーマ: 文字と出版 タイポグラフィにおけるデザイン人文学
日 時: 2017年2月18日(土) 9:00 - 18:00
会 場: ソウル ニュー国際ホテル 16階 カンファレンスホール
主 催: 韓国出版学会、韓国出版文化産業振興院 *1

*1 :韓国出版文化産業振興院
   韓国の行政機関・文化体育観光部の傘下の組織

出席者は韓中日のフォント、印刷、デザイン、教育、出版などに関わる人達など、文字にかかわる人たちがおよそ五十名。

Sandoll社LeeさんやBruceさんの顔も見える。

Sandoll社にいる頃にはずいぶんお世話になったChoiさんとも挨拶できた。現在は、今回のツアーでも訪問を予定しているYoon Design社に在職しているという。

出席者は韓中日の文字にかかわる人たちがおよそ五十名。

当日のプログラムは以下のとおり(敬称略)。
講演は韓・中・日の相互同時通訳付きで進められた。

基調講演以下、各講演の序論を抄訳して紹介する。

開会宣言:金環道(Kim, Kyung Do/韓国出版学会理事長)

金環道・韓国出版学会理事長

開会の辞:尹世珉(Yun, So Min/韓国出版学会会長)

尹世珉・韓国出版学会会長

歓迎の挨拶:「タイポグラフィ世界のパラダイムシフト」
李起盛(Lee, Ki Sung/韓国出版文化産業振興院院長)

李起盛・韓国出版文化産業振興院院長

基調講演

「ハングル文献の編輯・出版の発展過程」
洪允杓(Hong, Yun Pyo/前 韓国・延世大学教授)

洪允杓・前 韓国延世大学教授。

文献の編集および出版の変化とは、文献の内容と形式の変化である。
韓国の文献出版の歴史的変化には三度にわたる重要な転換点があったといえる。
一回目は1443年に訓民生音ができたとき、二回目は十九世紀末の筆記具と出版の道具・材料である鉛活字・洋紙・印刷機を輸入したとき、三回目は二十世紀末にコンピューターを導入したときである(以下略)。


――― 第一部 書体は時代の顔である ―――

「異なる文化のはざまで揺れる日本の明朝体」
小宮山博史(佐藤タイポグラフィ研究所所長)

小宮山博史・佐藤タイポグラフィ研究所所長。

ヨーロッパ人による明朝体活字の開発には、紙・活字・羅針盤・火薬という中国の四大発明が深く関わっている。
羅針盤の発明は遠洋航海を可能にし、大航海時代を生み出した。
はるか東のアジアからもたらされる珍しい文物は、ヨーロッパ人に異文化への興味と交易への意欲をかりたてていく。東洋学の誕生と対清貿易への積極的姿勢である。
そこでまず必要となるのは自国語と現地の言語との対訳辞書であることは言うまでもない(以下略)。

「浮沈を繰り返す中国の書体」
孫明遠(Sun, Ming Yuan/中国西北大学芸術学院教授)

孫明遠・中国西北大学芸術学院教授。

中国フォントデザインの最初の繁栄は1910 - 1930年代に表れ、日本帝国主義の侵略戦争の影響で中断された。
この時期に35種以上の金属活字による書体が出現したが、その殆どは中国の古典書体だった。
中国のフォントデザインの最初の繁栄は西洋式活版印刷技術の広範囲な普及の時期に、中国伝統文化及び審美精神復興の追及、民主主義意識の引上げという三つの要素が作用し発展・形成されていった(以下省略)。

「書かれた文字から活字へ — 揺らぐハングル文字
劉賢国(Ryu, Hyun Guk/日本 筑波技術大学教授)

劉賢国・日本 筑波技術大学教授

現代ハングルフォントが、どれだけ伝統的なハングル活字を洞察し、それらを超える意図された目的をもって製作されたのだろうか。
この時点から近代ハングル活字の歩みを詳細に探れば、本文用書体の限界の中で未来に向けた何らかの回答を得ることができるだろう。
活版印刷をするためには、活字一つから印刷機械にいたるまで実に膨大な用具が必要である。また、職人たちが活字を一本一本組んで印刷するためには100分の1ミリメートル単位の精度が要求される。
そういう意味で、活版印刷の現場は職人の手作業による「文字の小宇宙」だといえよう(以下略)。

ここで午前中の第一部は終了、ランチタイムに入る。
このホテルに投宿している我らが一行は、一階下のメイン・ダイニングルームで朝食と同じビュッフェスタイルのランチを済ませる。


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