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2003年7月：カルガリー
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【7月18日】 ヘレナのスタジオとヘリテージ・パーク
今朝７時頃、近くで大きな交通事故があったそうだ。
サイレンが引きも切らず、ヘリコプターが何機も家の屋根の上を飛び交っていたという。
Helenaの家の丁度裏側にガーデニング用品や草木を売っている大きな店があるが、その角を入ると直ぐにTrans-Canada
Highwayにつながるジャンクションになっている。事故はそのジャンクションの辺りで起きたらしい。
私は全く気づかずに寝入っていた。
この日もAndreaは朝早く試験を受けに出かた。 メールチェック、写真の整理をする。
朝食後、Helenaが自分の作品の中から好きな作品をプレゼントすると言うので、Studioで一番彼女らしい色合いのコラージュを選んだ。ついでにスライドに記録してある彼女の今までの仕事を見せてもらう。
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| Studio外観。居間からも直接入れる。 |
明かりとりは天井の短冊型のガラス窓で柔らかい光がスタジオ全体を包んでいる。
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| 天井のガラス窓が明かりとりになっている。 |
反対側には制作に必要な道具が並ぶ。窓際の棚にはカセットテープが並んでいた。
日本から送ったテープも聴いてくれているようだ。
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道具並んだコーナー。 |
Helenaが大きな引き出しに入っている作品群をデスクに出しながら、「好きな作品があったらプレゼントするから選んで。」と言うので躊躇せず "After The Orchid, 1995, Collage"を選んだ。
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"After The Orchid"。 |
Helenaがスキャニング、フォトショップ、プリントアウトについて実習したいというのでおつきあいした。自分の作品をデジタルデータにしておきたいのだそうだ。作品を使ってスキャニング、フォトショップによるリサイズやレタッチ、インクジェットプリンタによる印刷まで一通り実習した。
Scottはパソコン通なのにHelenaには基本的なことを何も教えていないようだ。デジタルデータは簡単に色を変えられたり、インクジェットプリンタと和紙による出力結果が予想できない効果を生むので面白いとHelenaはデジタルの世界に強い興味を持った。
実習も一通り済んで彼女も納得してくれたところで日本への土産物を買いに連れていってもらう。買い物をする前にJimの家に寄る。
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右の緑の下の鉄格子のトビラがJimの家の入口。 |
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Helenaの家に負けずJimの庭も緑が多い。 |
彼はスタジオで作陶中だったが快く手を止めて、家の中を紹介してくれた。
地下はワインセラーになっている。彼のワイン好きが分る。彼の家はどの部屋も天井が高く仄暗い照明になっている。
家具調度も重々しいデザインでまとめられていてクラシックな空気が各部屋を満たしている。彼の焼き物のコレクションとHelenaの作品を含む版画のコレクションを見せてもらう。
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手を動かしながら話し相手をしてくれたJim。 |
庭でご馳走になった白ワインは芳りが良く、暑さの中で喉に気持ちがよい。強い陽射しを避けて木陰で楽しむよく冷えた白ワイン。ここを動くのが惜しくなった。奥さんのSharonは留守だった。
小一時間でJimに別れを告げる。必ずまた来るようにと声をかけてくれた。彼も心の優しいアーティストだ。
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JimとHelena。 |
Jimに名残惜しい別れを告げた後Heritage
Parkに行く。
ここは1914年以前の南Alberta州の生活を再現しているGlenmore貯水池に隣接したカナダ最大規模の歴史記念公園だ。100以上ある公園内の建物は南Alberta全域から移築されたものだ。
Heritage Parkが終点になっている路面電車の停留所に電車が入ってきた。
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| 現役の路面電車。 |
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| Heritage Park入口。 |
Heritage Park前には大きなGlenmore貯水地があり、ヨットやボートが浮かんでいる。
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| Glenmore貯水地。 |
Heritage Park内の土産物売り場でメープルシロップとメープルシロップクッキーを買う。
お土産の数が揃わなかったのでHeritage
Parkを出た後でSafewayに行きさらにメープルシロップとメープルシロップクッキーを買い足す。
ついでにRothkoのドックフード（南京袋ほどの大きさがある）、AlbertaとCanadian
Rockiesの地図を買い帰宅する。
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| Heritage Park前にはボートやヨットが並んでいた。 |
夜はScottの運転するAndreaの車 (HONDA) でHelenaと試験を終えて帰宅していたAndreaも交えて４人で食事に出かける。行く先はCalggaryの繁華街にあるTex-Mex系の料理を出すMescaleroという店だ。北米先住民族の名前らしい。
7時30分頃に店に着いた。
建物は古いが大変に広な造りで、中庭（パティオ）に席がとってあった。未だ日中のような明るさだ。
若いカップルや家族連れも沢山来ている。私はAlberta野生鹿肉の料理を頼んだ。骨付きで柔らかかったがスパイスの香りが強くてて肉の香りは分からなかった。
皆で9時過ぎまでビールやマルガリータを飲みながら料理を楽しんだ。
４人で飲んで食べてCalgary最後の夜の食事が$108.88CAD（約9,700円）だった。やっぱりやすいなと感じてしまう。
帰りはAndreaの隣に座ったので、それとなく聞くと娘さんは21歳になるという。孫がいるというのはHelenaから聞いていたが、そんな状況でもハードな試験をクリアしようとしている。
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| Mescaleroの入口で。 |
10時過ぎに帰宅して、Scottが借りてきたCubaの映画を見る。Cubaの詩人の47歳までの物語で実話を元にしたもののようだ。面白いと言うよりキューバ革命時下の芸術家の生き様が重かった。
Andreaは明日も試験があるからといい早めに部屋に居引き上げていった。
明日は11時15分Calgary発の飛行機に乗るために９時過ぎにはここを離れなければならないだろう。
明日の朝もたつかないようにおおまかに荷造りをして1時近くにベッドに入る。長かったように感じるが、やはり過ぎてみればアッという間の９日間だった。