【8月11日(金)曇後晴】旧市街
シリ・マンカラヤーン通り(Siri Mangklajarn Rd.)を経由してステープ通り(Suthep Rd.)を東に直進。
狭すぎて人が歩けない形ばかりの歩道を、時に落ちそうになりながらスアンドーク門前に到着。
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スアンドーク門。 |
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スアンドーク門からのシリ・マンカラヤーン通り。 |
スアンドーク門を入って真っすぐ進みワット・プラ・シンを迂回すれば今日の目的地アカ・アマ・コーヒー店なのだが、その前に2013年にチェンマイを訪問した時に見落としていたワット・プラサートに寄る。
ワット・プラサートはワット・プラ・シンの真横に建つ小さいが落ち着いた美しい寺院で、ラーンナー様式の本堂は1823年に建てられたもの。
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ナーガに守られた本堂。 |
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本堂に接するように建つ純白の仏塔。 |
ワット・プラサートを出て隣の大きな敷地に建つワット・プラ・シンへ。
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ワット・プラ・シン。 |
ワット・プラ・シン正門前のラチャダムン通り(Rachadamnoen Rd.)にあるコーヒーショップ「アカ・アマ・コーヒー(Akha Ama Coffee)はすぐに見つかった。
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アカ・アマ・コーヒー店。 |
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飾り気はないが清潔感溢れる店内。 |
店員お勧めのピベリー(Peaberry)を淹れてもらう。
浅めの焙煎だが軽い酸味の後、口の中に甘さがわいてくる。飲んだ後もゴテッとせずにさっぱりしているのでこの豆を土産にする。
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折角の美味しいコーヒーがこの器でチョット残念。 |
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Peaberryのパッケージについているタグが可愛い。 |
Peaberryを入れてくれた女性スタッフにカメラを向けると顔を上げてニッコリしてくれた。
Annaさんもプラ・ドン・カフェで出会ったPichayaさんもそうだがカメラを向けても決して嫌な顔をしない。奥村さんも言っていたがチェンマイ(タイ)の女性は本当に愛想が好い。
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コーヒーを入れてくれたスタッフ。 |
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Akha Amaは「山の人」という意味。 |
後から入って来たカップルを中国人と間違えてしまったが、女性の方は三年ほど日本の学校に行っていたと言う日本語が上手なタイ人カップルだった。
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上手に日本語を操る彼女。 |
彼氏の方は店に入るなりフィンガー・スピナーにかかりきり。
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上手にフィンガー・スピナーを操る彼。 |
アカ・アマ・コーヒー店の前に駐車していたスクーターのシートに巻かれた鎖と錠が仰々しい。
紅白に塗ってある縁石の前は駐車禁止、鎖は警察がつけて行ったもので駐車違反だと先ほどの日本語の上手なタイ人女性が教えてくれた。
この紅白がそういう意味だったのを初めて知った。
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紅白の縁石と鎖でロックされたスクーター。 |
アカ・アマ・コーヒー店を後にしてワット・プラ・シンの隣角に建つ、2013年にも参詣したワット・パーボンに寄る。
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ワット・パーボン本堂。 |
嘗て小さな仏像が二体安置されていた場所に大きな仏像が座っていた。
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大きくなっていた仏像。 |
来た道を戻りスアンドーク門から旧市街を出る。
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旧市街を囲むスアンドーク門前のお堀。 |
歩きにくいステープ通りを戻りシリ・マンカラヤーン通りに入る。車が多くてここも歩きにくい。
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車が渋滞するシリ・マンカラヤーン通り。 |
この三、四年で急に車が増えたというチェンマイの十字路の多くに信号機が付いていないので、直心、右折、左折入り交じっての走行で交差点前後はほぼ徐行状態。
たまにはチャンとした夕食にしようと思い、チェンマイ初日に奥村さんが案内してくれたヴァロス(The Varos)へ。
マホガニー色の外壁に大きめのガラスが嵌め込まれた広い窓、尖った屋根のエントランスを入り左側が茶とベージュ色を基調にしたシックなダイニングルーム。
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ヴァロス。 |
右側は低めのテーブルに籐で編んだイージー・チェアが並ぶテラスで、その奧のユッタリしたドアを開けるとテラスに並ぶのと同じテーブルとイージー・チェアをしつらえたラウンジ風の部屋。
周囲の何処にもゴテゴテした装飾がないのは出すもので勝負しているのだろう。
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ヴァロスのラウンジ風の部屋。 |
「ピニャコラーダ」200THB(720JPY)と「チーズとホウレン草の春巻き・リンゴソース添え」150THB(540JPY)でスタート。
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ピニャコラーダ。 |
最初に出てきたピニャコラーダを一口、可も無し不可も無し。
「チーズとホウレン草の春巻き・リンゴソース添え」がカラッと揚がった春巻きの皮と中身のホウレン草に半分溶けたチーズが絡んで歯触りモッチリのコントラストが楽しい。
大豆の大きさほどに角切りされたリンゴが埋まっているソースが、皿の上の見た目のコッテリ感を裏切って爽やか。
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チーズとホウレン草の春巻き・リンゴソース添え。 |
ピニャコラーダが生き返った。
さらに地元の伝統的な一品をと希望したら「サバの唐揚げと地元の温野菜、海老のペーストとチリ・ソース」160THB(575JPY)を勧めてくれた。
米飯も頼む、40THB(144JPY)。
待つこと暫し、四角い皿に載った陶器のソースポットからは魚醤と唐辛子の混じった強い香りに未知のスパイスの刺激臭が鼻先をかすめる。
ソースポットの周りに軽く茹でたブロッコリーやインゲン豆、セロリ、ニンジン、キャベツ、キュウリ、トマト、初めて見るサヤエンドウ風、それに小型のサバの丸揚げと青い菜を巻いた卵焼きが並ぶ。
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サバの唐揚げと地元の温野菜、海老のペーストとチリ・ソース。 |
これは明らかにソースを楽しむ料理だ。
南にいることを思い知らされる魚醤の強い香りと唐辛子の十二分な辛さ。ソースに混じる緑色をしたひよこ豆ほどの大きさの実を摘まんで囓ると、大きな種が歯にあたる。
香りも味も強い苦みのする実だった。苦みにも種類があることを教えられる。
何の変哲も無い野菜がこのヒリヒリする魚醤ベースのソースのお陰でその印象を変え、次々、胃袋に落ちて行く。
野菜が残った。皿に並ぶ量が多すぎるのだ。
残してしまったことを詫びながら皿を下げてもらう。
最後にどんな仕上がりで出してくれるのか期待しながら、飲み物のメニューの一番上にあるドライマティーニ200THB(720JPY)を頼む。
しばらくすると横手のバーの方から聞こえてくる『シャカシャカ、シャカシャカ、シャカシャカ……』といつ終わるとも知れない音、ひょっとしてシェーカーを振っている音なのか。
これは不味いことになっているかも知れない。
ややあって大振りなカクテルグラスが運ばれてきた。
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ヴァロスのドライマティーニ。 |
ドライマティーニだという。
グラスの中は細かな泡で濁っている。
爪楊枝に刺さした種抜きのオリーブの実と、その間に挟まれたシロップ漬けの紅色のサクランボが酒に沈んでいる。
この時点でアウト!
グラスを持つと冷たくない。
グラスを鼻先に運んでもジンが香ってこない。
一口すする。
それでもジンの香りゼロ。
ベルモットとシロップの甘味が舌先に残る。
運んできた女性に声をかけて再度確認する。
『これ、ドライマティーニですか?』
『そうです。当店のドライマティーニです。』
『いつもこういうスタイルなんですか?』
『はい、何か不都合がありましたか?』
『申し訳ないけど、これはドライマティーニではないですね。』
この店のドライマティーニの作り方は、こうではなかったのかと想像してしまう。
- シェーカーに小さな氷を入れてジンとベルモットを入れる。
ベルモットはスイートを使い、多めに入れる。
- 氷が溶けるまで充分時間をかけてシェイクする。
- よくシェイクしたら常温のカクテルグラスに注ぐ。
注いだ酒にシロップ漬けのサクランボを種抜きのオリーブの実で挟んだ
デコレーションを沈める。
こうして作れば、ジンの香りもパンチも無い、ベルモットとシロップ漬けのサクランボの甘味が舌先にのこる、水っぽいドライマティーニ・モドキができる。
店の雰囲気もスタッフも料理も好いのに、これがドライマティーニで無いのがとても残念だった。
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