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  2010年11月:松虫寺
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【松虫寺 松虫姫神社】

仁王門をくぐって左側に石の鳥居がある。松虫姫神社の鳥居だ。寺の境内に寺と同じ名前の神社があるのは珍しいのではないだろうか。

松虫姫薨去の後、村人の手によって建てられたという松虫姫神社が鳥居の奧に見える。何時建てられたのかは調べきれなかった。鳥居の奧右に薬師堂の屋根が見える。

松虫姫神社の鳥居。

松虫姫神社社殿。

遠くからも向拝の上部(頭貫の上)が赤と青の色が鮮やかだが、いつ頃塗り替えられたのだろう。屋根の一番上(大棟)や屋根正面の真下にある懸魚(けぎょ)が十六花弁の菊文のようだ。

赤と青が印象的な頭貫とその上部の鶴と波模様。

神額は「七十八翁謹書」とあるが誰のことだろう。それに書かれている「松虫姫神社」の「虫」の字が一画多い。
この一画多い字形を異体字の一つとして収録している漢和辞典があったが、その意味については説明がなかった。

この神額の字形を勝手に憶測する。虫の正字は「蟲」で「虫」は「まむし」など蛇の意味もある。そこで松虫姫神社の神額に蛇の意味を持つ「虫」を用いるのを嫌って、一画多いこの字形を使ったのではないだろうか。
御廟の横に建つ石碑の篆額は「蟲」が刻まれていた。

一画多い虫が使われている神額。

赤い獅子と白い獏の木鼻。

回廊左右の突き当たりの脇障子(わきしょうじ)には老人(仙人?)と童が彫ってある。

左右の脇障子。

仙人と童子が彫られている。

松虫姫神社参道の左側に太い幹をした木が立っている。五六本の枝が出ているところから上がないのは落雷か強風のせいなのか。面白い形をしている木だ。

境内の太い木。

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