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  2009年4月:バンコク
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ソイ・ラチャダピセク 3スクムウィット

【4月23日(木)】ソイ・ラチャダピセク 3

眼が覚めたらまだ6時。
シャワーを浴びストレッチ。朝食。11時過ぎにホテルを出る。

中国大使館を目当てにガイドブックに中国大使館のマーク以外に何も記事がもないソイ・ラチャダピセク 3(Soi Ratchdaphisek 3)界隈を気紛れで探訪。

ホテルの前のソイ・ユ・チャローン(Soi Yu Charoen)を北に往く。

真夏の陽射が眩しいソイ・ユ・チャローン。

バンコクの4月は真夏、陽射しがむき出しの肌を刺し大変に蒸し暑い。

何を商うのか客を待つリヤカーも日除けの影が小さい。

フォーチューン・タウンの裏手の辺りで鍵の手に曲がると4・5階建ての住宅が並ぶ。駐車している車もドイツや日本の車が多く中流層の住居街のようだ。外を歩く人影がない。

歩く人の姿がない住居街。

中層住宅街を過ぎると露天や食堂が並ぶ一角に出た。そろそろ昼時、掻き入れ時に備えてどの店も忙しそうにしている。

文字通りの街角食堂。

やっと顔を上げてくれた照れ屋の店主と既に空のトレー。

母娘が売るのは揚げ餃子?

食堂街を抜けるとソイ・ラチャダピセク 3にぶつかったので、ラチャダピセク(Ratchadaphisek)通りを目指し右に折れると直ぐに中国大使館の前に出た。想像していたよりも貧弱な門だと思いながら長い塀伝いに行くとラチャダピセーク通りに出た。

中国大使館裏門。

中国大使の長い塀の右側がラチャダピセーク通り。

この大通りに面した塀に沿って歩いて行くと、両側を大きな獅子の石像に守られた正門があった。門が開いて中から灰色の小型乗用車が出てきた。門の側に建っている守衛がずっとこちらを目で追っているのが分かり、カメラを正門に向けにくくてシャッターを切ることができなかった。

ラチャダピセク通り。舗道右側に中国大使館正門がある。

ソイ・ラチャダピセク 3に戻って奥に進んでゆくとスクーターに寄りかかり小さな黄色い傘をさしている子がいたので声をかけてみた。

ソイ・ラチャダピセク 3の端でスクーターに寄りかかる黄色い傘。


レンズを向けるとはにかみながら笑顔を向けてくれた。

道の反対側で買い物をしていた母親が近づいてきて『何処から来たの?』。
昨日も王宮で同じことを聞かれたなぁ、何処から来たように見えるんだろう? 上手な英語だったので訊いてみると女の子は6歳、お母さんは30歳で美容院をやっていると教えてくれた。お母さんの齢までは訊いてないのに……。

美容院を経営しているというお母さんは30歳。

商店の店先を覗きながら歩いていると、こちらを見ている小母さんと目があった。側に行くと金網の上で金串にさした物を焼いている。

目があった串焼き屋の小母さん。

金網の上に載っているのはバナナの串焼だ。手前はサツマイモ? 青い葉に包まれた粽みたいなモノの中味もバナナらしい。

バナナの串焼きとサツマイモ?

木陰に並べられたベンチでは女性達がランチ中。多分ここは美味くて安いんだろうと思い、何を食べているのか声をかけてみた。

木陰のベンチで何を食べてる?

器の中をすくって見せながら『オイシイよ!』

『オイシイよ!』と大きな眼が印象的なNuchさん。

ベンチの真向かいにある食堂に行き、ベンチを指さしながらひたすら『彼女たちの食べているものと同じ麺を!』 と繰り返しどうやら伝わったらしい。ベンチに戻り彼女たちの横に空いた席に座った。

麺を頼んだ食堂の看板、なんと書いてあるのか?

運ばれてきた麺の下には揚げた骨付き鶏肉が入っている。台北で食べたことがある豚の血を固めた血豆腐も何切れか入っていた。他にモヤシ、ほぐした鶏肉等々。麺は中華風、味は複雑。
昨夜のセンミーのスープは魚の出汁で透明・薄味、知っているタイ料理の味とは違っていたが、この麺もタイレストランの味とは違う。どちらも日常の味なのかも知れない。

名前は単純「鶏肉麺」。

食べ終わった彼女たちにこの麺の名前を訊いた。
答えてくれたのは最初に声をかけたNuchさん。差し出した手帳に書いてくれたのは「Koey-Teqw-Kai-Toon」。
タイ語でも書いてもらったが初めてタイ文字を手書きするところを見た。Noodle with Chickenだと教えてくれた。35THB(約99円)。

同じモノを食べている親近感からか緊張感が薄れたからか、彼女達から『何処から来たの?』、『何をしてるの?』と英語ができるNuchさんを介して矢継ぎ早の質問が飛んできた。

女性達は皆同じモノを食べているみたいだった。

思いがけず楽しいランチでお腹が落ち着いたのでソイ・ラチャダピセク 3から宿泊しているホテルのある通り、ソイ・ユ・チャロエンに戻る。

この通りを見通すとホテルの隣で新しいビルの工事が進んでいる。この家並みがいずれ取り壊されるんじゃないかと思わせる新しいビルが並ぶことになる。ホテルまでの古い家並みではどんな暮らしがあるのか覗いてみた。

ソイ・ユ・チャロエン。工事中のビルの奧に白く見えるのがホテル。

印刷屋さんがあった。
開け放った工場入り口の台の上でパッケージを一つ一つ組み立てている。声をかけると刷り出しのようなものを見せてくれた。奧では小型の印刷機が回っている。工場の中は印刷工場特有の油とインクの匂いがしなかったのは不思議。

パッケージを組み立てる手を休めて刷り出しを見せてくれた。

狭い工場の奧では印刷機が動いていた。

玄関前のコンクリートタイルで車座を作る三人は昼食中だ。何を食べているのか、丼の一つを味見させてもらったら魚を煮込んだスープで後味が唐辛子のピリ辛。期待していなかった分、驚くほど美味しかった。見た目は黄色いがカレー味ではなかった。多分魚醤がベースなんだろう。

一切れだけ残っている魚を食べるよう勧めてくれたが、せっかくの昼食に邪魔に入った申し訳なさから半分だけいただくことにした。『ウ~ン、ご飯が欲しいな。』

室内のように見えるが左手は直ぐ通り。

ご飯でいただきたかった魚のピリ辛スープ煮。

大きな波板屋根は野菜市場らしい。忙しい時間は過ぎたのだろう、中に入って行くと客の姿はなく台の上で昼寝をする人もいる。

強い陽射しの下、閑散とした野菜市場。

台の上で昼寝をする店員。

市場の奧がフードコートになっていて遅い昼食をとる人の姿がちらりほらり。テーブルの周囲に並ぶ料理を売る店も殆ど商売をしていなかった。

フードコートのテーブル。

夜に向けて下拵えをしているのだろう、調理をしている小母さんの手元を見るとまな板が真ん丸で分厚い中華風だ。忙しげに手を動かす小母さんにカメラを向けていると、後で何やら女性の嬌声。振り向くとこちらに向かって手を振っている。

下拵えに忙しい小母さん。

仕事の手を休めて手を振る嬌声嬢は通りかかった同僚を引き込み一緒にカメラに収まってくれた。ここで仕事をしているのか尋ねたら長身嬢がそうだと返事をしてくれた。そして『何処から来たの?』

朗らかな嬌声嬢と引きずり込まれた長身嬢。

ホテル前の道ソイ・ユ・チャロエンが大通りのラマ 9通りにぶつかる右角が昨夜センミーを食べた食堂。その食堂の前でUターンしてホテルに戻る途中、不思議な作業に出会った。

くわえタバコで入れ墨の兄さんが黒い大きな布を、5寸釘より長く太いピンを打った卓球台のような板に張り重ねている。ロール状の布をこうやって一定のサイズに揃えてから断裁するらしい。

手振りも交えて『くわえタバコで仕事してちゃダメなんじゃないの?』
冗談で言ったつもりなのに入れ墨兄さんが苦笑いをしながらタバコをもみ消した。却ってこちらがビックリ。

素直にタバコをもみ消したくわえタバコの入れ墨兄さん。

奧にはミシンが数台並んでいた。

何を作っているのか問うと『パンツ』と言う言葉が返ってきた。ズボンを作っているらしいが全て黒。何かの制服なのではないだろうか?

中央がスボン縫製工場。

ここでスクムウィットSoi 22のインターネットカフェに行くためいったんホテルに戻る。

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