【5月14日(金)】石廊崎灯台
今朝もぱっとしない空模様だが石廊崎灯台に向かう。
下田駅前から東海バスの石廊崎灯台行きに乗り石廊崎灯台で下車。
バスは途中乗り降りする乗客も少なく、空いた道路をおおよそ45分で石廊崎灯台停留所に着く。
バス停から15分ほど海に向かって下りて行くと深く切れ込んだ入り江の小さな小さな港、石廊崎港に出る。港の手前右手に大きな銅像が建っている。立ち姿が何やら異様だ。
石廊崎で修業したといわれている「役行者(えんのぎょうじゃ)」像だ。
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役行者像。 |
石廊崎港は深く切れ込んだ入り江の一番奥にある小さな港で、石廊崎岬巡りの遊覧船「マリンバード号」はこの港から発着している。
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マリンバード号。 |
早速マリンバードおしどり号に乗る。入り江の両側は溶岩流でできたのだろうか、奇怪な姿を見せている。
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穴だらけの石廊崎港入り江の両岸。 |
入り江を出るとそこは大平洋。
この日は風が強く気持ちいいくらい船が揺れた。岬の上にかすかに灯台と石廊崎測候所のアンテナが見えている。
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石廊崎岬。 |
波と風の音で船内のガイドの声が聞きとれない。「…左手に『みのかけ岩』が見えてきました…」
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右側が「みのかけ岩」か? |
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尖っているのは火山性の岩? |
30分間の大平洋航路を楽しみ、マリンバードおしどり号を下りて石廊崎灯台に向かう。
石廊崎港の右手、役行者の後ろの坂道を上ること25分、岬の上に出る。閉園した石廊崎ジャングルパークの前を通り過ぎると、その先が伊豆半島の南端で海を守る石廊崎灯台だ。
閉園したジャングルパークの前を通り過ぎるとすぐ、向かい合った狛犬と鳥居に出会う。
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狛犬と鳥居。 |
鳥居をくぐりさらに先を行くと海と白い灯台が見えてくる。
石廊崎灯台は1871年(明治4)、英国人技師ブラントンの設計で建てられたもので当時は木造だった。1933年(昭和8)に現在のものに建て替えられている。
高さ9m、赤と白の光が38km先まで届くそうだ。あいにく内部は公開されておらず見学することはできない。知名度の割には小さな建物だ。
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石廊崎灯台。 |
灯台の先、岬の突端に近い急な階段を手摺を頼りに下りてゆくと岩の間にめり込んだような格好で小さな神社がある。
建物が岩に食い込んだように見える。岩室(いろう)神社だ。
この神社は延喜式の神名帳にも出てくる由緒ある神社で海上の安全を守る伊波例命(いわれのみこと)を祀る神社だという。
千石船の帆柱を利用したといわれる質素な造りの社殿は1901年(明治34)に造られたが、創建は701年(大宝元年)と大変に古い。
神社の入り口は小さな社務所でお守りやお土産を売っている。先ほどくぐった鳥居はこの神社の鳥居なのだろう。
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岩室神社。 |
石室神社の前を通り抜けてさらに岬の先端まで行くと伊豆七島を見渡している小さな祠がある。
熊野神社だ。あまり小さいので写真を撮るのを忘れてしまった。二人でお詣りするとご利益絶大だといわれている縁結びの神様だ。
岬の先端から下を見ると波が激しく岩を打っている。
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風に吹き上げられた波が岩を濡らしている。 |
石廊崎岬を見学した後、再び東海バスで下田駅に戻る。
駅前の土産物店兼喫茶店で一休みしてから、大和館の送迎バスを捉まえて宿に戻る。
空はすっかり晴れ上がり強い陽射しで眼を射る。
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駅前の温泉モニュメント。 |
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10年前とはすっかり様子が変わってモダンになった下田駅。 |
朝はハッキリしなかった天気だが宿に着いて部屋から海を見ると、きれいな夕焼け空の下で多々戸浜を打つ波音が静かに聞こえてくる。
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部屋続きの庭から見える多々戸浜の波が夕焼け空を映して揺れている。 |
今夜は下田湾内で黒船祭の花火大会があり、旅館がバスをチャーターして希望者を会場まで送り迎えしてくれるので、ぜひ出かけるようにと、夕食の世話をしてくれた仲居さんに薦められた。
食後玄関に出てみると大型の観光バスが待っている。
乗り切れない見学希望者は旅館の送迎バスで会場に向かった。
花火会場の見学席は下田港岸壁近くの駐車場。海からの風が寒いくらいに冷たかったが目の前で上がる花火は圧巻。
間近に見る花火は何年ぶりだろう、花火は音が重要な役割を担っていうることを改めて実感した。
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花火は音が命なのかもしれない。 |
花火から宿に戻ってもう一度風呂に行く。
夜の多々戸浜を一望する露天の岩風呂は、ほのかな外灯の明かりを受けてゆらゆらと揺れている。
貸し切り状態の湯でついつい長湯をしてしまった。
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