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       【5月4日(月)】 托鉢/トッケイ・ヤモリ/保育園 
       今朝も『グググググ・ガッグォー・ガッグォー』で眼が覚めた。  
どうやら部屋の裏の方から聞こえてくるようだ。繰り返す度にだんだん小さくなるが、初めて聞く鳴き声だ。何の鳴き声だろう? 
       
      枕元の時計を見と明るくなるまでには未だ間がある午前3時半。 
       
『ガッグォー・ガッグォー』がやっと静かになりウトウトし始めたら、昨夜、寝るときに細く開けておいたガラス窓を揺すって太鼓の低い『ドゥォ~ン・ドゥォ~ン・ドゥォ~ン』という唸りが部屋の壁を揺すり始めた。しばらく続いた地鳴りのような太鼓の音がおさまると、今度は細い鉦の音が『シャン・カラン・シャン・カラン・シャン・カラン』、その合間をぬうように銅鑼が『グゥォ~ン・グゥォ~ン・グゥォ~ン』。  
 
毎日繰り返される早朝のコンサートは、サッカリン通り(Sakkaline Road)を挟んで宿の真向かいに建つワット・セーンスッカラム  (Vat Sensoukharam) の僧達による朝の勤行の音だ。 
 
勤行の音に混じってバラバラ・ゴロゴロと早朝のスコールもやって来た。ルアンパバーンの朝は賑やかだ。 
空が明るみ始めるとスコールも上がったようで、鳴き声も鉦・太鼓の音も止み、窓の外は静かになった。 
 
5時半、宿の外に出ると雨で洗われた空気とサッカリン通りが清々しい。ライト・アップの照明が残るワット・セーンスッカラムの白い塀が東雲に際立っている。 
      
        
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          | 早朝のワット・セーンスッカラム。 | 
         
       
      ワット・セーンスッカラムの塀に沿って、いつの間に小座布団と竹籠が組みになって50ほども並べられている。  
      
        
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          | 小座布団と竹籠の列。 | 
         
       
       マイクロバスで乗り付ける観光客や、その観光客を目当ての物売り達の姿も増えてきた。  
         
寺の塀に沿って並べられた小座布団には既に観光客が座っている。観光客に挟まれて土地の人もいるようだ。 
      
        
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          | 塀の前に座った観光客達。 | 
         
       
      ワット・セーンスッカラムの奥からオレンジ色の衣をまとい供物を受ける鉢(金銅鉢)を抱えた僧が5人、10人と列を作って出てくる。この寺がこの辺りの毎朝の托鉢の出発地になっているのだろう。 
         
        托鉢の僧は並んで座っている人達から一人一人竹籠に入ったカオ・ニャオ(ラオスの主食・蒸したモチ米)や供物を受け取りながら、ゆっくりと街の中心に向かって進んでゆく。 
      
        
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          | 托鉢が始まった。 | 
         
       
      総勢50人はくだらないだろう、寺の白い塀の前をゆっくり進んで行くオレンジ色の僧列は壮観だ。列の最後尾は小学生位の子供の修行僧達だった。 
      
        
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          | ユックリと進む長い托鉢の列。 | 
         
       
      そんな托鉢の列に触れんばかりに近づいてカメラのシャッターを切る心ない観光客の姿も見える。 
         
        毎朝繰り返される托鉢の列がルアンパバーンの観光資源の一つになっているとは言え、道路のあちらこちらに、修行の托鉢に出ている僧には『敬意をもって接するように』と注意書きも張られている、彼ら・彼女らは一向に気にする風が無い。 
         
      托鉢僧を見送ってから宿の隣のラオ麺屋で今朝は辛い挽肉味噌が載ったカオ・ソーイで朝食、20,000Kip(約302円)。  
      
        
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          | カオ・ソーイ。 | 
         
       
       
      
        
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          | 麺についてくる香味野菜とライム。ピッキーヌはテーブル常備。 | 
         
       
       
      
        
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          | 香味野菜は麺の上に載せる。 | 
         
       
       
      
        
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          | ピッキーヌは瓶に入った醤蝦(アミ)味の味噌をつけて少しずつ囓る。 | 
         
       
       
      
        
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          | サヤインゲンのような野菜は口の中が爽やかになる。 | 
         
       
              宿に戻り、『ガッグォー・ガッグォー』の鳴き声のことをフロントで訊いてみた。 
   
        軒先を指さし、両手で大きさを示しながら説明してくれるのだが、如何せん言葉の壁が厚い。手振り身振りから、鳩と鶏の間くらいの大きさで、この辺りでは Gapkhe と呼んでいるという。裏庭に巣くっている鳥の仲間のように受け取ったのだが、宿のスタッフはこちらが正しく理解したと思っていないようだった。 
   
        帰国してからインターネットで鳴き声の主を調べてみた。  
        『ガッグォー・ガッグォー』は民家の軒先や屋根裏などに巣を作る、成長すると25~35センチメートルになるトッケイ・ヤモリ(Tokay  gecko/Gekko gecko) だと分かった。名前にヤモリとついているがトカゲの仲間なのだそうだ。  
   
        説明には、その鳴き声からトッケイ・ヤモリと名付けられたとあるが、『ガッグォー・ガッグォー』が『トッケイ・トッケイ』と聞こえないこともないか。YouTubeで「トッケイヤモリ」を検索すると鳴き声を聞くことができる。 
   
      東南アジアでは家を守り、幸せをもたらすと言われているトッケイ・ヤモリは、ルアンパバーンでも土地の人達から大切にされているようだ。 
      
        
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          | トッケイ・ヤモリ(インターネット上で見つけた写真)。 | 
         
       
      昨日予約したパークウー洞窟(Pak Ou)ツアーの集合場所ダニンゴン・トラベル(Dane Ningom Travel)の前に早めに着いてしまった。 
旅行会社の真向かいにある小学校を塀の外から覗くと、親に連れられて来た子供たちが遊んでいる。保育園が併設されているようだ。 
      
         
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          | 保育園が併設されている小学校。 | 
         
       
       
      
        
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          | 保育園が併設されているようだ。 | 
         
       
       
      
         
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          | 見るからにやんちゃな子供たち。 | 
         
       
       
      
        
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          | 小学校の門の前に店を出す屋台の駄菓子屋。 | 
         
       
       
      
         
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          | 見ているだけで楽しい駄菓子のパッケージ。 | 
         
       
      そろそろ集合時間、旅行代理店の前に戻る。
       
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