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【4月30日(木)】 ワット・シェントン(Vat Xienthong)
夜明け前まで降っていた雨も明るくなるとともに止んだようだ。
宿のフロントが『毎朝、5時半にこのハウスの前のお寺から托鉢が始まりますよ。』と言っていたので、未だ早いと思ったが外に出てみる。
既に寺院の白い塀に沿って小さな椅子と敷物がが並んでいる。まだ薄暗い中、暫くすると托鉢僧を目当てにした市民や観光客、その観光客相手の物売りの姿が増えてきた。
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| ホテル真向かいの寺院、ワット・セーンスッカラム。 |
午前六時前に寺院の白い門からオレンジ色の相違を纏った修行僧の列が出てきて、朝の托鉢が始まった。
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| ワット・セーンスッカラムと托鉢僧の列。 |
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| 托鉢僧の列は街の中心部へ向かった。 |
昨夜は夕食を取らずに寝てしまったので流石に腹が減ってきた。そろそろ7時、朝食をとりながら出かけることにしよう。
宿の隣のラオ麺屋でカオ・ソーイ(Khao Soi)20,000Kip(約302円) とラオス粽 10,000 Kip (約151円)を注文。粽は香草味の甘いデザートのようだった。カオ・ソーイは見たとおりのピリ辛、別皿でタップリの香味野菜もついてきた。寝起きの朝食には好い。
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| 粽とカオ・ソーイと香味野菜の皿。 |
ワット・シェントン(Vat Xienthong)の正門はサッカリン通りを半島部で回り込んだメコン川側なのだが、サッカリン通りを徒歩で150メートルほど行ったところに通用門があった。
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| 細い露地の突き当たりがワット・シェントンの通用門。 |
門の前でカオ・ニャオを小鉢のような形にして天日干ししている。ルアンパバーン滞在中に民家の近くでも良く見かけたが、仏様へのお供え用なのだろうか。
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| 天日干しの丸くかたどったカオ・ニャオ。 |
後で分かったことだが、これを油で揚げておやつ代わりにするようだ。五、六枚をビニール袋に入れて売っている地元のコンビニエンス・ストアにも出会った。
◆ ワット・シェントン(Vat Xienthong)
通用門の中に拝観料を徴収するテーブルが出ていた。拝観料は20,000Kip(約302円)。
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ワット・シェントンの拝観券。 |
1560年にセーターティラート王(Setthathirath)によって建立されたワット・シェントン(「黄金の都市の寺院」の意)は、ルアンパバーンだけでなく、ラオスの全ての寺院の中で最高の美しさを誇る寺院と言われており、ルアンパバーンを象徴する寺院である。かつては王族の神聖な儀式に使用され、シー・サワンウォン王もここで誕生している。
通用門を入ると僧坊の奥に優雅な屋根を重ねた本堂が見える。
手前から二層、二層、三層と重なる本堂の屋根は、ビエンチャンの寺院に比べるとゆったりしたカーブを描き、その勾配も緩やかなルアンパバーン様式。基壇の白とのコントラストも鮮やか。
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| 本堂の左が立像堂(中)、その左がレッド・チャペル(左)。 |
本堂正面の壁は黒地(写真では紺色に見えるが)に金彩で仏像がビッシリ描かれている。
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| 本堂正面の入口。 |
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| 藍染めのようにみえる本堂入口の横に描かれた絵。 |
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| 本堂正面で屋根を支える柱に施された模様。 |
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| 本堂内で目を惹く大きな銅鑼。 |
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| 本堂正面のご本尊。 |
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天井の模様。
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本堂内から見える仏塔。 |
黒地に金彩で描かれている本堂側壁の絵も赤い窓扉と共に見事。
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| 本堂側壁の赤い窓扉と壁画。 |
本堂背面の壁には1960年代に地元の職人達の手による「マイ・トーン(生命の木/黄金の木)」が描かれている。マイ・トーンはかつてこの地に立っていたと伝わる高さ160メートルの大樹がモチーフで、仏教に関する物語がモザイクで描かれている。
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| 本堂背面壁に描かれている「マイ・トーン」。 |
本堂の屋根、中央に載っている飾りは宇宙を象徴しているというドクソーファー(Dok So Far)で、尖塔の数が寺院の格を表している。
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| 17本の尖塔が並ぶドクソーファー。 |
本堂の前でベトナムから来たという若い女性4人組みに写真を撮ってくれと声をかけられる。最後は一緒にカメラに収まった。
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| ベトナム美女四人組。 |
本堂左に建つ小さな祠は立像堂。 屋根や妻のガラス装飾が見事。
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| 小さいがドシリとした印象の立像堂。 |
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| 立像堂の妻に施された見事なガラス装飾。 |
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| 立像堂に祀られている半鳥人キンナリー。 |
立像堂の奥に建つ赤い祠が赤堂 (Red Chapel) で、内部には1569年にセーターティラート王によって安置された涅槃仏が祀られている。
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| 赤堂。 |
赤堂の壁には細かなモザイクでラオスの田園生活の様子が描かれている。
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| 赤堂の赤壁画。 |
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| 赤壁画の一部。 |
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| 赤堂の内部も赤が基調色。 |
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| セーターティラート王によって赤堂に安置された涅槃仏。 |
本堂の真後ろにもう一つ小さな祠があるが、扉は閉まり鍵が掛かっている。
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| 本堂真後ろに立つ小さな祠。 |
鍵の掛かった扉に小さな穴が一つ開いている。そこから中を覗くことができる。
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| 扉に開いた小さな穴。 |
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| 扉の穴から覗くと仏像が二体。 |
本堂正面の右斜め向かい側に建っているのは霊柩車庫。1960年に執り行われたシー・サワンウォン王の葬儀で使われた霊柩車が収められている。
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| 霊柩車庫。 |
庫内の中央に真っ赤な四本の柱に挟まれて、六頭の龍(ナーガ)に守られた金色の霊柩車が安置されている。
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| 六頭の龍に守られた霊柩車。 |
霊柩車の周囲の壁際には霊柩車を見守っているように大小の仏像が並んでいる。ここの仏像はどれもみんなホッソリしているが、ルアンパバーン様式の特徴なのだろう。
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| 霊柩車を見守るホッソリした仏像達。 |
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| 霊柩庫入口の扉に施された見事なレリーフ。 |
境内の北東角(メコン川側)に艇庫がある。ここには毎年8月末にナムカーン川で開催されるルアンパバーン・ボート・フェスティバルに使用されるボートが保管されている。 ボートは恐ろしく細長く、四、五十人で漕ぐようだ。
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| 広い艇庫に管されているボート。 |
本堂裏に回ると西側に裏門があったので、そこからサッカリン通りに戻る。
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| 西側の裏門から見た境内。 |
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西門を出てサッカリン通りへ。 |
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