【4月29日(火)】 ワット・シームアン(Wat Simuang)
セーターティラート通りがサームセンタイ通りと合流する、ひときわ緑の濃い三角地に建つのが16世紀に入ってセーターティラート王が、クメール時代のヒンドゥー教寺院跡地に建立したと伝わるワット・シームアンが建っている。
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ワット・シームアンの門。 |
ワット・シームアンは、王が新しい都を築く時に、その土地の精霊(Lak Muang/ 都市守護神)を祀り、都市の繁栄と安定を祈願するために建てらる「都市の守護柱 “Lak Muang”」があることで有名な寺院で、ビエンチャンの寺院の中でも参拝客が多いと言われている寺院らしい。
赤煉瓦敷きの境内に入ると大きな木の下に金色の仏像が祀られているのが目に入る。
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赤煉瓦敷きの境内と巨木の下の仏像。 |
この寺院には『都市の守護柱が立てられる時に、若い妊婦(Si Muang)がその身を捧げた』という伝説が伝わっているそうで、それ故か願い事が叶う寺として特に女性に人気があるという。
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シンプルな屋根の本堂。 |
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妻壁に施されたレリーフ。 |
履き物を脱いで本堂にあがる。熱心に参拝する人の姿が後を絶たない。
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熱心に参拝する人達。 |
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祀られた仏像群。 |
本堂の裏に小さな門が付いた柵で囲まれた一郭がある。柵の中は古代クメール時代の遺構(仏塔) で、柵の周囲を長い髪の毛を束ねる女性像や獅子、ヤック(鬼)、仏像などが囲んでいる。
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本堂の背後には多様な像が並んでいる。 |
柵の中の古代クメール時代の遺構は黒ずんで崩れた石積みで当時の仏塔のようだ。今も儀式用の綺麗な布が巻かれている。
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古代クメール時代の遺構。 |
インターネット上で見つけた「長い髪の毛を束ねる女性像」の複数の説明によると、この像は大地の女神ナーン・トラニー像(タイ語でプラ《水》・メー《母》・トラニー)で、概ね次のような由来があるようだ。
『釈迦が瞑想中に、それを邪魔しようと幻想の魔物マーラ軍(煩悩)が攻めてくる。そこで釈迦は左手の中指で大地に触れて大地の女神トラニを呼び出した。大地の女神トラニは釈迦が前世で積んだ徳を水にして長い髪の毛から絞り出し、洪水を起こしマーラ軍をを撃退した。』
この寺院にはヒンドゥー教寺院の名残がそこかしこにあるというが、大地の女神ナーン・トラニーも仏教ではなくヒンズー教の女神。
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ナーン・トラニー像。 |
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獅子に載る仏陀とヤック(鬼)。 |
崩れた仏塔の柵の周りには金色の像に並んでラオスの伝統衣装を着た女性像が並んでいる。
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ラオスの伝統衣装を着た女性像(1)。 |
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ラオスの伝統衣装を着た女性像(2)(3)。 |
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未だ新しいお堂。 |
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これもヒンドゥー教のブラフマー神像。 |
門に近い片隅に建つ記念碑(仏塔?)の前に「頭が象で体が鳥」の象と「頭が鰐(龍?)で体が鳥」の象、この寺院で初めて見た気がする。
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この寺院で初めて見る象二体。 |
ワット・シームアンの東隣の小さな三角地は、第二次世界大戦後の混乱期にラオス王に即位したシーサワンウォン王(1885–1959/在位1946–1959)の銅像が建つシーサワンウォン公園になっている。
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台座中央にあった銘板は剥がされているようだ。 |
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シーサワンウォン王。 |
シーサワンウォン公園からサームセンタイ通りに入る。
ワット・シームアンの裏手まで来ると、塀際におかしな枝振りに変わった花をつけた大きな木が立っている。
枝はサボテンのようで、花は
内側の花びらが横を向いているように見える。調べたら「キャノンボール・ツリー」という木のようだ。
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キャノンボール・ツリー。 |
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キャノンボール・ツリーの花。 |
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