【7月17日(土)晴】セミナー「デザイン書道入門」
今回、松本に来た目的は松本タイポフラフィ研究会が主催するセミナーに参加すること。
同研究会主催の七回目になるセミナーは講師に小宮山博史さんを迎えた「明朝体活字の誕生と展開」だったが、COVID-19 騒動で開催は遅れに遅れ(開催予定は2020年4月11日だった)、開催予定が変更になったせいもあって小宮山さんの都合もつかなくなり、新たな企画で今日の開催になった。
新しい企画によるセミナーの概要は以下の通り。
第7回 松本タイポグラフィセミナー「書物と活字」シリーズ
表題:デザイン書道入門――書道経験がなくても「いい文字」は書ける。
講師:美登英利/ミトグラフィコ主宰
協力:室賀清徳/白井敬尚
司会:向井裕一
日時:2021年7月17日(土)13:30~17:30
会場:上土劇場
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会場の上土劇場。 |
会場ロビーには美登さんデザインのセミナー特製ポスターが貼ってあった。
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ロビーに貼られた特製ポスター。 |
今回のセミナーのテーマ「デザイン書道入門」について、主催者が配布したセミナー告知のチラシには次のようにあった。
近年、文字を効率的にやりとりできるフォントがコミュニケーションの中心になる一方で、手書きの文字の独自性に注目が集まってきた。
広告、ロゴ、パッケージといった現場でも、毛筆による手書き文字、いわゆる「デザイン書」が盛り上がりを見せている。
書というとその伝統や権威、あるいは悪筆へのコンプレックスから敬遠してしまう人も多いだろう。
しかし、「いい文字」を書くことと芸術としての書は別ものだ。
自らも書道経験のないところから出発したというデザイナーの美登英利は、「書そのものを自分でデザインする」という発想に立ち、デザイン書をタイポグラフィとならぶひとつの手法として実践してきた。
あなたにもできるデザイン書の自由な魅力とその考え方について美登氏が初めて語る待望の講演! |
前後左右に一席ずつ開けたて着席する会場に参加者が 50 名余り、見た目は満席だが企画変更前の半数だそうだ。COVID-19 の影響を思えばやむを得ないか。
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開会を待つスクリーン。 |
定刻通り始まったセミナーは、
午後1時30分から5時30分まで、休憩が入るとはいえ長丁場だ。
前半は美登さんと、嘗て美登さんと職場が同じだったという白井さんに、司会進行役の向井さんも加わり、今年の4月に発行された美登さんがお書きになった「デザイン書道マニュアル」に沿って作品が紹介されていく。
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美登英利さん。
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白井敬尚さん。 |
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向井裕一さん。 |
紹介された作品の中には『何処かで見たことあるな』と思ってしまう筆文字があるが、それは思い違いで、スクリーンに映し出された作品がそう思わせたようだ。
スクリーンの作品が鮮明に撮れていなかったので「デザイン書道マニュアル」から数点紹介する。
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「デザイン書道マニュアル」より。 |
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「デザイン書道マニュアル」より。 |
20分の休憩を挟んで後半開始。
前半の三人にデザイン関連雑誌・書籍の編集実績が多く、「デザイン書道マニュアル」の編集を担当した室賀さんが加わり『デザイン書道とは何か』その肝になる部分を口の重い美登さんから聞き出そうと迫る。
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セミナー後半開始。 |
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室賀清徳さん。 |
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室賀さんのプレゼンテーション。 |
後半の最後は美登さんが作例や動画で筆文字の作り方を解説して20分休憩。
その後の質疑応答の時間には会場からデザイン書に対する感想や期待も出ていた。
セミナーの全てのプログラムが終わり、会場の外に出たら未だ陽射しギラギラの、梅雨明け二日目の松本セミナー受講だった。
セミナー後は有志のみで講師お三方を囲んで「凡蔵」での懇親会、その後はセミナー関係者のみで「炎影」で反省会 と、長い一日だった。
セミナーの様子はぬらくら第124回「デザイン書道入門」でも取り上げている
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