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  2003年10月:北京
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八達嶺長城明十三陵

【7月17日】明十三陵

八達嶺長城から明十三陵 (Ming Shisanling)までの途中で休憩もかねて昼食にする。

バスが停まったのは土産物売り場と中華レストランが一緒になった大きな建物の前の広い駐車場だった。
日本ならさしずめ「道の駅」といった風のまだ新しい施設だった。

奥まった部屋でBillさんのお世話でリッチな昼食になった。北京で客をもてなす正餐は昼食なのだと聞いたことがある。

明十三陵は北京の北西の方角に50km程離れた天寿山麓にある明代の皇帝の陵墓群だ。
13人の皇帝の陵墓が集まる地区で定陵、長陵、昭陵が一般に公開されているそうだ。今回見学したのは明第14代皇帝神宗万暦帝の陵墓「定陵」だった。

定陵正面入口。

正門を入ると直ぐに開けた場所に出る。礎石だけが残っている禝恩殿の跡地。中庭の先に明楼の赤い屋根が見える。

禝恩殿跡と明楼の赤い屋根。

明楼は小高い城壁の上に建ち、正面には「定陵」の額がかかる。
明楼の裏側は陵墓になっており地下宮殿からの出口に続くゆるい下り坂になっている。

地下宮殿を見学した後で明楼に上ったが壁や天井にに少し大きめのカメ虫によく似た虫ががびっしり群がっている。
たまに天井から落ちてくる虫が頭や肩に降り掛かる。なぜこんなに沢山のカメ虫が明楼にいるのかその理由は分らないが、この辺りは長い間耕作も樹木の伐採も禁じられてきた地域だということなので、残されている緑濃い自然が理由の一つなのかもしれない。

明楼正面に「定陵」の額が見える。

地下宮殿へは明楼の横手を回った所にある長い階段を回りながら下りて行く。
深さ27メートル、建築面積1,195平方メートルの石造りの地下宮殿は前殿、中殿、後殿と中殿左右の横殿で構成されている。見学場所によってはすれ違うこともできないくらいの観光客でごったがえしていた。

地下宮殿内部は想像した以上に広い。

地下宮殿出口の階段を回りながら上って外に出ると正面に明楼が見える。
明楼中央には「大明」「神宗顕皇帝之陵」と刻まれた石碑が置かれているが、かつては左右を石垣に挟まれたこの坂道の真ん中あたりに建っていたという。坂道には今も目立たないが痕が残されている。

明楼一階の中央に赤く石碑が見える。

明楼の石段から地下宮殿出口が白く見える。

定陵博物館を配した入場券。

明楼を下りて定陵博物館を見学した。
地下宮殿に飾られていた品々やそれらのレプリカが展示されている。

今日のバスツアー参加者は全員が北京市内のホテルを予約しているので、博物館の見学を終えて北京市中心部に向かう。

途中で上海に帰るBillさんと分かれ、すっかり日が落ちた北京市内に入ってからマイクロバスの世話をする張さんがお茶屋さんに寄りたいというので任せた。

政府直営のお茶園が経営する「春来茶藝館」に入った。お茶を飲みたいというから喫茶店のような所を想像していたのだが、中国茶の実演販売店だった。

一番奥の小さなテーブルに案内される
。達者な日本語と熱い湯の入ったポット、急須を操りながら中国茶の入れ片、楽しみ方を見せてくれたのは荊(Jing)さん。煎れてくれたお茶はどれも飲み易いお茶だった。

達者な日本語で私達に中国茶の指導をしてくれた荊さん。

荊さんのトークに釣られたわけでもないが、どうせ何処かでお茶を買う予定だったので烏龍茶、龍珠花茶(ジャスミンティー)、野生一葉茶(猿茶)を買った。

人が登れないような険しい崖に自生している野生の茶葉から作られる野生一葉茶は、茶葉を集めるのに訓練した猿を使うために猿茶とも呼ばれているそうだ。

お茶の香りを楽しむ細長い器と、香りを楽しんだあとにお茶を移し替えて飲むための盃のような器、それに式台がセットになったものも一緒に買った。この器にはお茶を注ぐときれいに発色する。

ぐい飲みくらいの大きさの茶飲み器セットはお茶を注ぐと発色する。

周りのテーブルも観光客で一杯だった。
どのテーブルからも日本語が聞こえて来る。これだけ日本語で対応できる体制が整っているということは、かなりの数の日本人がここでお茶を買うのだろう。

どのテーブルも熱心にお茶を勧めている春来茶藝館。

春来茶藝館での思わぬ買い物のあと、7月に来た時も利用した北京新世界万怡酒店(New World Courtyard Hotel)までマイクロバスで送ってもらった。
偶然にも水野さん、台湾のSteveさんも同じホテルだった。

荷物を片付けてひと休みしてから一人でホテルの外に出てみた。

お腹が空いて来たので崇文門西大街に面した「牛肉麺」の大きな看板を頼りにビルの一角にある食堂に入った。
無愛想で殺風景な店だったがたっぷりした汁とそばに、濃く味付けた短冊切りの牛肉が山盛りで、1杯6元(約80円)。美味しかった。

お腹もできたので記憶を頼りに、前回来た時にBillさんが連れて行ってくれた大きなスーパーマーケットを探しに食堂を出た。

北京新世界万怡酒店の並びにあるショッピングセンター、北京新世界中心の地下1階は、商品の種類も大変に豊富で店の端から端まで見通すことができないほど広く家族連れでごった返している。

ここに来た目的は五粮液 (Wuliangye) だ。2本買うから安くしてくれと粘ってみたが安くできないと押し切られた。52度のものが1本428元(約5,500円)だった。

ホテルに戻り荷造りを始めて、春来茶藝館の紙袋に茶器セットが入っていないのに気づいた。
夜も遅く店とも連絡のとりようが無い。
明日は出発までの時間を利用して天安門の辺りを歩きたいのでこの茶器を諦めて荷造りした。

帰国してからダメモト気分で春来茶藝館のパンフレットにあった番号に、担当は荊さんで購入した茶器セットが入っていなかったというファックスを入れると30分もしないうちに春来茶藝館から日本語で電話が入った。

領収書をFaxしろともいわず不手際を詫びて直ぐに品物を発送するという。2日後に品物が届いた。

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