【6月25日(月)】さこや
部屋の窓を開けると苔をつけた桜の枝が窓近くまで迫っていた。その向こうの杉木立が朝霧なのか雨なのか、煙っている。
ロビーの床に見たことがない楽器がゴロンと置かれている。女将さんもその素性を知らないという。そんなモノがあるのかどうか知らないが、その形は「携帯オルガン」のようだ。 ラベルには"MAHARAJA FLUTE" "D. S. RAMSINGH & BROS."とあり、"BOMBEY"の字もあるからインド製の楽器らしい。
世話をしてくれた仲居さんの名前は伺わなかったが、さこやでもベテランのようで冗談を飛ばしながらも機転の利いた接遇に明子姉共々感心させられたのだった。