【6月24日(日)】吉野山さこや 陽が落ちて辺りが暗くなり始める頃、吉野山の細い道を上って正明くんが車を停めたのは坂の途中にある古い旅館の前、天明2(1782)年創業という「さこや/佐古家」だった。
春の花の時期は部屋を取ることが難しいと聞く「さこや」だが、正明くんが仕事上の伝手で予約してくれたらしい。この日は他に客が居ないのではないかと思われるくらい静かだった。
ロビーで出されたのは自然な甘さと香が優しい吉野名物の葛湯だ。
シーズン・オフだからと言うことなのだろう、さこやが売りにしている露天温泉の「静の湯」は改修工事中で利用できないというので屋内の大きな風呂に浸かってきた。
見た目の豪華さはないが、どの皿も舌に馴染む味付けでクセの無い調理に好感が持てた。
食後は明子姉との本郷菊坂の思い出話が尽きず、気づくと既に日付が変わっている。 |