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       【8月17日(金)晴れ時々曇り】度小月・開隆宮祭 
      忠義路二段84巷から台南天壇の裏に回ると周囲に溶け込めない黒門に出会う。黒瓦を乗せた日本家屋の門だ。 
         
      門に下げられた大きな木札に「原鶯料理屋」とある。「原」は「元」の意で、日本統治時代の高級料亭「鶯料理屋」跡だ。       
      
         
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          鶯料理屋跡の門。  | 
         
       
        門をくぐると綺麗に手入れされた日本風の庭の奥に、二棟の二階建てが鍵の手に建っている。2013年に台南市によってその一部が復元され、台南の新しい観光名所になったというのがここ。 
      
         
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          | 門をくぐると日本風の建屋が二軒。 | 
         
       
      門の外で通りかかる人に声をかけている、赤い上っ張りを着たこの屋のスタッフに尋ねると、今は台南料理が供されているとのこと。 
         
      「鶯料理屋」を通り過ぎると道は公園路にぶつかる。 
       
          ぶつかる際の右角が現在補修中の正十八角形の建物と、その中心から白い塔が伸びている旧台南測候所。その姿から「胡椒管」とも呼ばれる。 
       
      1898年落成、日本統治時代初期に作られた大型建築物の一つで、台湾における現代気象観測の普及の地でもある。 1998年に台南市市定古跡に、2003年には国定古跡になっている。  
       
      旧台南測候所の隣は台湾南区気象中心。 
      
        
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          | 旧台南測候所(右)と台湾南区気象中心。 | 
         
       
      台湾南区気象中心の真向かいに建つ端正な白い姿の教会が眼を惹く。 
         
      英国長老教会が1902年に建てた太平境馬雅各紀念長老教會(太平境基督教会)で、1865年に最初に台南に来たという宣教師マクスウェル(馬雅各)を記念して「馬雅各記念教会」と名づけたそうだ。  
      
        
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          | 馬雅各記念教会。 | 
         
       
      公園路から湯徳章紀念公園(民生緑園)のロータリーを経由して中正路に入り、度小月で休憩。  
      
        
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          | 度小月。 | 
         
       
      入り口を入ると、ぶつかりそうな所に据えられた釜から盛大に湯気が出ている。釜の側に低く腰掛けた店員がリズミカルに麺を茹でては小鉢に放り込んでいる。 
この光景、台北で出会っている。  
      
        
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          | 茹でられてた麺は担仔麺になる。 | 
         
       
            カウンター席に座って頼んだ台湾ビールは缶ビール(60元/216円)だった。 
他に担仔麺50元(180円)、腸詰め120元(432円)、牡蠣フライ160元(576円)が歩きづめで空になった腹に収まる。  
      
        
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          | 珍しい蓋付きの担仔麺と台湾麦酒。 | 
         
       
       
      
        
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          | 蓋をとった担仔麺の器。 | 
         
       
       
      
         
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          | 腸詰め。 | 
         
       
       
      
        
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          | 牡蠣フライ。 | 
         
       
      中正路が湯徳章紀念公園のロータリーにぶつかる角に建つ古い大きな建物は国立台湾文学館。 
         
      日本人建築家・森山松之助が設計した旧台南州庁舎で、国定古蹟に指定されている。 日本統治時代には台南庁庁舎、後に台南州の行政組織が置かれたほか、州轄市としての台南市庁も兼ねていた。 
       
      戦後は台南市政府庁舎として1997年まで使われ、1998年に市定古蹟の指定を受けて、修復・拡張工事が始まり、2003年に国定古蹟に昇格。現在は国立文化資産保存研究センターと国立台湾文学館として運営されている。 
      
        
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          | 国立台湾文学館。 | 
         
       
      湯徳章紀念公園のロータリーから中山路に入ると台南車站に向かう車線が全て規制され、赤白の幔幕テントが道を覆っている。 
         
      テントの下には鞍を付けた白馬と栗毛が一頭ずつ。この界隈、お祭りらしい。 
      手綱を持つお兄さんから『馬に乗らないか』と聞かれたが、ここで馬に乗っても面白くもない。 
      
         
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          お兄さんが勧めるまま手綱を持ったら写真を撮ってくれた。 
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      何のお祭りなのか、馬の手綱を持っていたお兄さんに訊いてみた。 
      開隆宮の「七星娘娘」の聖誕祭なのだという。 
      
         
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          | 「七星娘娘」の文字が見える花飾り。 | 
         
       
      
      なるほど赤白天幕の横の、あでやかな色で飾られた廟の門に「開隆宮做16歳開始報名了」と書かれた、これも赤い横断幕が下がっている。開隆宮の入り口だ。 
         
      この宮の主祭神は七星娘媽(七星娘娘のことらしい)といわれる七柱の女神たちで1732(雍正10)年創建、浙江省(山東省という説もある)に繋がりを持つらしい。 
      創建当初は七娘媽廟と呼ばれたという。 
      
        
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          | 開隆宮入り口にあたる路地。 | 
         
       
              横断幕の「做16歳」とは台湾旧暦の七夕に行う16歳の成人式のことで、七夕祭りにバレンタインデーも重なっているという。 
         
      路地を入って行くと開隆宮前の広場が紅白の幔幕で被われていた。  
      
        
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          | 宮前広場と開隆宮。 | 
         
       
      七星娘媽は中国の七夕伝説の織女(正確には織女とその姉六名ということらしい)にあたる。  
         
      中国の織女は地上の牛郎と恋におちたが、相手の牛郎は恋ボケで仕事をさぼってしまい、これが天帝の怒りをかう。そして、織女に一年に一度しか逢えなくなってしまう。 
       
      中国版の七夕伝説ではこの二人の間に子どもがいたことになっている。その子どもは織女達が引き取って育てたという、何とも人間臭い天界の話だ。 
       
      そんな彼女達を人々は子どもを護る神として信仰するようになり今日の「做16歳」に繋がっているようだ。 
      
        
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          | 拝殿から正殿を臨む。 | 
         
       
       
      
        
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          | 供物台に積まれた冥銭(紙銭)。 | 
         
       
       
      
        
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          | 正殿に祀られている七星娘媽。 | 
         
       
       
      
        
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          | 赤い衣装で16歳を祝う。 | 
         
       
       
      
        
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          | 夜になると賑やかなのだろう中山路。 | 
         
       
       中山路を真っ直ぐ北上、台南車站前に戻って来た。 
      
        
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          | 台南車站前。 | 
         
       
      ホテルに戻りバスタブに浸かってリフレッシュ。 
      夕食に赤嵌樓の並びにあった石精臼牛肉麺店までブラブラ。夜になっても歩くと汗ばんでくる。 
      
        
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          | 石精臼牛肉麺店の主。 | 
         
       
      擔仔麺50元(180円)、煮玉子15元(54円)、モヤシ肉味噌30元(108円)。 
      擔仔麺はニンニクが利いていて神保町の台南擔仔麺のそれよりも肉の味が薄かった。 
      
        
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          | モヤシ肉味噌と煮玉子を追加した擔仔麺。 | 
         
       
       
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