ホーム2016年ハワイ(9月)台北(11月)
  2016年11月:台北
11月7日11月8日11月9日11月10日地図

【11月9日(水)】 蘇精先生

午前中は南港軟體園區の勤務先本社を訪問、フォント・デザイン部の一部と国際広報部の一部の面々と交流。
嘗て小宮山さんの指導を受けたフォント・デザイナー達との再会に感激することしきりの小宮山さん。もちろんデザイナーたちも大興奮。

あの時はああだった、こうだったが連発した会議室。

小宮山さんご夫妻とフォント・デザイン部、国際広報部のメンバー。

午後は永康街の「秀蘭」に移動。ここで小宮山さんが会いたがっていた蘇精さんと合流。

小宮山さんは蘇精さんとの再会成って満面の笑み。

蘇精さんは台湾でただ一人、中国に渡った米国長老教会(American Presbyterian Mission)の研究者で、同教会は小宮山さんが研究している明朝体の歴史にも登場する。お二人の会話は目の前に運ばれてくる料理そっちのけで、熱く盛り上がる。

以下が小宮山さんと蘇精さんの熱を冷ますことができなかった料理の一部。

◆蘿蔔牛肉
牛肉と大根の土鍋煮。醤油ベースの煮物。日本人にも馴染める一品。牛肉も大根に煮汁がしっかり浸み込んで柔らかい。

蘿蔔牛肉。ゴロンとした牛肉は柔らかい。

◆白菜獅子頭
秀蘭の看板メニュー。煮汁を吸ってトロトロになった白菜とフワフワで大きな肉団子を組み合わせたあっさりした味付けの土鍋料理。

白菜獅子頭。白菜の陰に肉団子が隠れている。

◆清炒河蝦仁
小さな川エビとネギの炒め物。エビは軽い味付けでネギといっしょに酢を付けていただく。

清炒河蝦仁。あっさり味で紹興酒にも合う。

◆清蒸臭豆腐
蒸した臭豆腐。しっかりした噛みごたえがあり味が浸みたはんぺんのような食感。得も言われぬストレートな香りだが、添えられた挽肉とネギ、唐辛子を一緒に口に運ぶと絶品。
この臭豆腐、台湾では夜市でよく見かけるが上海料理では高級料理だという。

清蒸臭豆腐。日本ではなかなか口にすることができない一品。

こちらは揚げ出し豆腐のようにフワッと揚げた臭豆腐をスープ仕立てにしたもの。 揚げた臭豆腐の香りはやや控えめ、野菜の甘さたっぷりのスープも好い。

スープ仕立ての揚げ臭豆腐。

小宮山さんと蘇精さんのやりとりは傍で聞いていても大変に勉強になる。
運ばれてきた料理があらかた片付いたというのに、有難いことにお二人はまだまだ語り足りないという。そこで席を移すことになる。

小宮山さんご夫妻と蘇精さんを囲んで記念撮影。

秀蘭の入り口。青い「秀蘭」の看板が目印。

秀蘭を後に信義路二段まで出て鼎泰豊の前を通り超すと、地下鉄・東門駅5番出口のすぐ手前に「秋江診所」と看板のかかったビルある。そのビルの細い通路の前に「秋恵文庫」の看板が立っているが、喫茶店への入り口はその通路の奥のエレベーターを利用する。

細い入口のそばに立つ秋恵文庫の看板。

「秋恵文庫」の看板には小さく「台湾歴史文物珈琲館」と書いてある。
エレベーターを降り更に細い通路を抜け店内に入ると、そこは喫茶店というより骨董店か古物商といった趣( 「秋恵文庫」の成り立ちはインターネットで検索すると詳しく説明しているページが出てくる)。

奥の小部屋、壺や古書に囲まれた丸テーブルに腰を落ち着けて早速「秀蘭」での話の続き。米国長老教会と上海美華書館、美華書館におけるウイリアム・ギャンブルの立場とその仕事などなど、興味の尽きない話が続く。

明朝体の話に聴き入る若き文字狂い達。

「黒糖ラテ」も美味しかった。

小宮山ご夫妻と蘇精さんを囲み、貴重な話を伺うことができた幸せな面々。

店内はどう見ても骨董店。奥が丸テーブルの部屋。

気が付くと時刻は5時半を過ぎている。随分長居をしてしまった「秋恵文庫」を出て信義路二段を渡ってホテルへ戻る。

夜はAmyさんが用意してくださった今回の一連のイベント運営に対する慰労会で信義新天地の「欣葉」へ。
この欣葉は以前入ったことがある巷の欣葉と同じ系列なのか、それにしても大分、高級な店だ。

イベントの印象を伝え合う台湾と日本のスタッフたち。

小宮山さんのリクエスト「紹興酒」に応えて出てきたのがこの一本。慰労会が終わってみれば小宮山さんと二人で二本空けてしまっていた。

初めて見るラベルの中身は、芯がしっかりしてマロヤカ。

この紹興酒のことを調べたら次のことがわかった。

┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅
台湾にはもともと紹興酒は無かったが、1949年中国共産党に追われた台湾に渡った蒋介石が亡国の危機を嘆き、越王・勾践の《臥薪嘗胆》の故事を広く知らしめ、公売局(酒・タバコの専売公社)に紹興酒の研究・製作を命じたのが台湾紹興酒の始まりと言われている。
公売局は勾践の故国「越」の風味をもった紹興酒を再現できなかったが、蒋介石の息子・蒋経国の尽力によって台湾中部の埔里で「越」の風味にも負けない、この古越紹興酒の開発に成功した。
三年間自然熟成させたものが一般の紹興酒、五年以上が芳しい香りの「陳年紹興酒」、七年以上が最高級品「特級陳年紹興酒」、十年以上のものを珍品「十年窖藏精釀陳紹」、十五年以上熟成させたものを「御製紹興酒」という。
蒋介石は「十年生聚、十年教訓」を念頭に二十年以内に中国に反攻できるよう願をかけていたという。 実際の醸造期間が二十年以上の御製紹興酒であっても、そのラベルに二十年以上の数字を記載すると、彼の望みと相反してしまうため、御製紹興酒は十五年ものと表記されているという。十五年以上貯蔵された紹興酒であっても十五年と表記されるため、それ以上の年数を表記した紹興酒は存在しないそうだ。
┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅┅

紹興酒の相手をするのに急がしく、他の料理を撮らなかったが煮付けの鱸の眼がこちらを見ているような気がしたのでカシャッ!。

スープは得も言われぬ台湾の味。

満ち足りた思いで記念写真に納まった慰労会出席者たち、笑顔が好いのはシャッターを押した欣葉のスタッフのお陰か。

皆さん、好い笑顔してる。

小宮山さんご夫妻、Amyさん、ありがとうございました。


11月7日11月8日11月9日11月10日地図
ホーム2016年ハワイ(9月)台北(11月)